Now or Never

今でしょ!

祝来日50周年 ステレオ! これがビートルズ vol.1 (JP)

ビートルズのレコード紹介、「ファーストアルバム」の巻もいよいよ第4コーナーを回って最後の直線です。

えっ?

まだあるのかって?

まだあるんですよ、これが^^;

ステレオ! これがビートルズ vol.1 (JP)[1966.05.25]

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1966年にビートルズの来日に合わせてリリースされたアルバムです。

ん?

1966年5月と言えば、あの「ラバー・ソウル」も既にリリースされています。

この胡散臭いタイトルと陳腐でやる気のないフォトのアルバムが、ファーストアルバムと何の関係があるのか?

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秘密はこの帯の下に隠れています。

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ほら・・・

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"please please me"って印刷されているでしょ(笑)

そうなんです。

実はこのアルバム、英国オリジナルのファーストアルバム"Please Please me"の日本盤なんです。

ビートルズにはまった当時の私は、ステレオ音源を集めたベストアルバムだと思っていました。

実際、帯には「BEST」と書いてあるし、、、

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少ない小遣いをやりくりして、曲が被らないようにレコードを選んで購入していた当時、何だかインチキ臭いこのアルバムは全く眼中に入りませんでした。

集めていたのはステレオの米盤だったので、無邪気な「ステレオ!」のキャッチを見ても食指が動くわけもなく。

そして時が過ぎ、このアルバムが英国ファーストアルバムと知ったのは、実は割と最近(と言っても10年以上前だったかなあ)です。

以前の記事で「1970年当時、日本では英国オリジナル盤が販売されていなかったが、正確には事実と異なる」趣旨の一文を書きましたが、このアルバムがその種明かしです。

Side A

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A1. プリーズ・プリーズ・ミー
A2. アンナ
A3. アイ・ソウ・ハー・スタンディング・ゼア
A4. ボーイズ
A5. ミズリー
A6. チェインズ
A7. アスク・ミー・ホワイ

Side B

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B1. ツイスト・アンド・シャウト
B2. 蜜の味
B3. ラヴ・ミー・ドゥ
B4. ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット
B5. ベイビー・イッツ・ユー
B6. ゼアズ・ア・プレイス
B7. P.S. アイ・ラヴ・ユー

当時の国内レコード制作会社は、洋盤をいかに日本人好みにアレンジするかで存在感をアピールしていたらしい。

この盤も、英国オリジナル盤とは曲順が変えられているのですが、米国盤で育った自分にとってはどうでもいいこと。

むしろ、キャッチーなA1とB1をA・B面のオープニングに据え、一方しっとり聴かせるA7とB7をそれぞれのトリにおいたこの曲順は、英国盤よりも自分の好みに合っているかもです。

(日本人好みのアレンジがまんまと功を奏している?)

ジャケットは見開き(ゲイトフォールド・カヴァー)で、ちょっとしたゴージャス感を演出していますが、せっかくの見開きジャケットが上手く生かされていないような・・・

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でも、ジャケよりも、、、

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よっぽど魅力的なフォトと、、、

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歌詞カードを綴じ込んでいるので、まあこれはこれでいいかも。

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ただし、豪華コンピレーション・アルバムのふりをしながら、ライナーノーツがないのはいかがなものかと。

ちなみに私の手持ちは赤盤ではありません。

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赤盤の入手は予算の都合で断念しました(;^_^A

◇リリース : 1966.05.25
◇カタログナンバー : AP-7548
◇モノラル/ステレオ : ステレオ
◇レーベル : アップル
◇トレイル・オフ・エリア情報
 A面 ・(6~7時)YEX-94-21 10 〄(←ジスマーク)
    ・(1時)3E
 B面 ・(5~6時)YEX-95-4 9 〄(←ジスマーク)

ビートルズが来日したのは、1966年6月29日。

来週の水曜日でちょうど50年になるんですね。

しまった!この記事来週書けば良かったな・・・(笑)

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ところで、ようやく国内盤の紹介に入って、以前に読んだビートルズの国内盤の解説本のことを思い出し、引っ張り出して再読しました。

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単なるアルバム紹介に留まらず、日本における1960年代の音楽ビジネス界や音楽愛好者の動向や空気が書かれていて、とても興味深い内容となっています。

同世代のポピュラー音楽ファンの方にお勧めの一冊です。

前回紹介させていただいた日本におけるファーストアルバム「ビートルズ!」の章を読むと、「初期のベスト盤の趣がある」とか、「リトル・チャイルド」(B4)や「ホールド・ミー・タイト」(B6)を「凡作」と称するなど、自分が書いた記事と被っているのは、もしかしたら私がこの本の影響を受けていたのでしょうか(笑)

一言余計なことを言わせていただけば、、、

「当時、擬似ステレオというものが多く、もともとモノラルの音源を無理やりボーカル・トラックと演奏のトラックに分離させたものが多かった」(P158)

の一文は、おそらく筆者の勘違いと思われます。

(ボーカル・トラックと演奏のトラックに分離させたステレオはリアルステレオの筈)

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さあ、これまで、ビートルズの変化球いっぱいのファーストアルバムについて紹介させていただきました。

ここで一息ついてから、次回はセカンドアルバムの紹介をさせていただきます。