Now or Never

今でしょ!

下風呂温泉郷に残る未成線跡

湯治旅2日目

下風呂温泉郷散策の続きです。

宿の目の前、大湯の公衆浴場跡地を写真に収めると、この「鉄道アーチ橋」そして「足湯」の案内に従って

高架橋のような散策路を進みます。

身を乗り出すとわかるんですが、途中からはこの通り見事なアーチ橋です。

まるで廃線跡のようなこの橋は、幻の鉄道(未成線)「大間線」の遺構でした。

遠目に見るとこんな感じ。

ビビッドなスカイブルーの手すりがちょっと残念かな。
アーチの明るいカラーもちょっと違うような・・・
落ち着いた茶系でまとめれば、もっと周りに馴染んで綺麗だと思うんですが、、、
私のセンスだって相当怪しいもんですけど(笑)

アーチ橋の中ほどにホームが設えてあるんですが

この小ぎれいな佇まいは、作ったものの使われなかった残骸ではなくて、遊歩道として整備した際にイチから作ったものですね。

工事が中断されたのは1943年(昭和18年)だそうなので

もしかして、この高いホームへのアプローチが残っているのかも知れませんが、人通りが少ないせいか雪が深く雨も降っていて、軽装でウロウロする覚悟ができませんでした。

足湯は10月から翌年4月まで休止中でした。

アーチ橋の北詰からは、この階段を冷や冷やしながら降りてきました。

大間方面の路盤跡は、この先トンネルへと続くようですが、とても挑む気になれませんでした。

さて
一転して反対の大畑方面です。

新湯の湯壺方面から流れる新湯川を渡る橋があるのですが

この橋の上。
何やら、モニュメントの紹介と細かい文字の説明書きがある。

8つのモニュメントを作っている風なんですが

どなたかの妄想の世界のようです(笑)

この先は高架部分の南詰でトンネルとなっているようですが、足元が悪い上に私有地にも見えるので、ここで退却しました。

これがトンネルポータルのようです。

以上で、大間線見学を終了。
引き続き近辺をぶらぶらします。
この頃には、フードを被って雨を凌ぎ、傘をさすのをやめていました。

この町を支えるのは温泉と漁港です。

下風呂漁港で揚がる主な魚種はマイカ、タコ、ウニ、アンコウ、ヤリイカだそうです。
旅館でもマイカ以外はみんな食事で出てきました。

で、漁港に行ってみました。

一番沖側の桟橋から振り返ると温泉郷全体が写真に収まります。

これは大間のマグロ漁船でしょうか?

徘徊を続けます。

R279沿いにやたらと目立つ看板が!

スルメイカの不漁で名物の「イカサマレース」は休業状態

スルメイカ(マイカ)が採れなくなった話は他所でも聞きました。
イカ大好き親父としては、またたくさん採れるようになることを願うばかりです。

この後、見晴らしの良さげな場所に登って

津軽海峡越しの北海道を探したんですが

ああ津軽海峡・冬景色♪

残念🥲

でも、これでこの地で思い残すことなく散策終了!

最後に、温泉郷の目抜き通りをぶらっとして

おそらくこの温泉郷で唯一の食料品店

いや、年季の入った店がもう一軒

この店で昼食をいただきました。

「あさの食堂」

ここで、遂にアルコールを口にしてしまった。
しかも真昼間・・・

地元のお酒「ねぶた」と「関乃井」を一合ずついただいたら、もう止まりません。

先ほど前を通った店で、関乃井原酒の四合瓶とおつまみを買ってきて午後は部屋に引きこもり

呑んでは温泉に浸かり、温泉に浸かっては呑み・・・

やっちゃあいけないやつだったのに😔

大湯と新湯

ここ下風呂温泉には

「大湯」「新湯」の2箇所の湧口と、海辺から湧いている源泉「浜湯」があり、「浜湯」はさらに温泉の湧口によって効能が異なっています。
下風呂温泉郷全体で4箇所の源泉を楽しむことができます。

中でも大湯と新湯は、室町時代から同じ場所で守り続けられたと言われる温泉浴場がありました。

※以下の画像は、青森県の観光国際戦略局>観光企画課の運営する「まるごと青森」サイトより拝借しました。

大湯

新湯

しかし、2020年11月30日に大湯と新湯は建物の老朽化などの理由で閉館となりました。

www.marugotoaomori.jp

翌12月1日からは、新しくオープンした新・温泉公衆浴場「海峡の湯」が後を継いで、大湯と新湯を同時に楽しめるようになり現在に至ります。

下風呂温泉の歴史は、上記サイトの他、近くの足湯施設にある案内板が参考になりました。

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湯治旅2日目は生憎の悪天だったので下風呂で過ごすことに。

午前中に、大湯と新湯の公衆浴場跡地を訪ねました。

と言っても、大湯跡は投宿しているまるほん旅館の目の前です。

更地で跡形なし(T_T)

そして、こちらが新湯跡

こちらも更地(T_T)

この旅をするまで下風呂温泉の存在すら知らなかったものの・・・
ほんの4年前に閉館だなんて、営業しているうちに行ってみたかったもんです。

今回お世話になったまるほん旅館は、大湯を源泉としています。
せっかくなんで、大湯と新湯を同時に楽しめるという「海峡の湯」に行ってみました。

え~~~!

よりによってこの日定休日なんて(T_T)

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各源泉の湯質泉質を、青森県下北半島・風間村の観光ポータルサイトより転記しておくのでご参考まで。

大湯系(白濁)
泉質    酸性・含硫酸-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患

新湯系(透明に近い)
泉質    含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患

浜湯系 海辺地1号
泉質    ホウ酸-食塩硫化水素臭(緊張低張性高温泉)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、高血圧症

浜湯系 海辺地2号
泉質    ホウ酸-含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(硫化水素型)
食塩硫化水素臭(低張性弱酸性高温泉)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、高血圧症

"キュン"な出会い

3月11日

東京駅を11:20スタート

大宮駅を出た時、列車は満席に

八戸駅で新幹線から青い森鉄道(東北本線)に乗り換え

1時間くらい空くので、この立ち食いそば店で昼食

いつもなら間違いなく新幹線の車中で酒を呑み、八戸でも酒の呑める店で遅い昼食を摂るところです。
しかし、今回の旅は物見遊山ではないのだ!
ここまでアルコールを完全封印。
温泉療養のついでに暴飲暴食を封印してデトックスするつもりでした。

JR大湊線直通の快速「しもきた」に乗車

キハ100系の2輌編成

下北駅でバスに乗り換えます。

乗り換え時間が短くてこんな写真しかありません

そして18:10
「下風呂温泉」バス停に定刻到着

既に真っ暗。
冷たい雨が降っています。
 
バス停から宿まではほんの数分。
家を出てからここまで8時間以上経過していて疲れていたので、この近さは嬉しかった。

ところがいざ入ろうとすると、入口に鍵がかかっていました。
呼び鈴らしきものは見当たらないので、何度かドアをノックしましたが反応ありません。

鄙びた雰囲気なので思わず不安に襲われました。
まさかと思うけど、予約を入れたのを失念していないだろうか?とか・・・

寒さに震えながら電話を入れると、中から仲居さんと思しき方が出てきてホッとしました。

誰かが不意にあけて看板猫が飛び出さないようにカギをかけていたとのこと。

旅先の旅館で入口に鍵がかかっていて入れなかった経験はなかったので、少々本気で焦っちゃいましたよ。

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荷物を降ろすと早速お風呂へGo!

湯治十戒とな

「よしっ、キッチリ守ったる!」

と決意したはずなんですが、帰る頃にはことごとく破っていました(笑)

泉質と効能

膝への効果はどうなのかなあ~

この狭い階段を降りて行くと、、、

お風呂です!

湯の花がいい感じ

湯気が天井からポタリと背中へ~♪

これこれ、これですわ!
私が湯治宿に思い描いた光景がここにありました。

日頃特に風呂好きって方ではありませんが、気持ち良くて滞在中は暇さえあれば温泉に浸かっていました。

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翌朝、テレビで天気予報を見ると、北海道各地の天気を流しています。

ちょっと待て!
ここで観ているんだけど・・・

ここって北海道の飛び地だったのか(笑)

食事は部屋出しです。

翌朝は、女将が朝食を部屋に運んでくれたんですが、部屋の戸が開くと同時に、この宿の看板猫がするりと入って来ました。

私の持ち物の匂いを嗅いでいたかと思うと

ストーブの上で一休み

寛いでいるなあ~

名前は「でっち」。
丁稚奉公の「でっち」だそうです。

男の子
もうすぐ2歳

デブで親近感が湧きます(笑)
可愛い~

そう言えば、今回利用した切符「キュンパス」にこんなこと書いてあったっけ・・・

「"キュン"な出会いをお楽しみください」

このことだったのか(笑)

湯治旅のプラン

今更ですが、、、

3月11日から14日まで3泊4日で、湯治旅を楽しんできました。

2月下旬に
「リハビリの総仕上げに湯治旅に行こう!」
と決めて、私の希望に沿った宿を探しました。

望んでいたのは、

・当たり前ですが温泉があること
・安いこと
・朝晩の食事が出ること
・そこそこ鄙びた雰囲気であること(毎食大広間でバイキングとかはちょっと違うぞと。まあそんな所はそこそこしますが^^;)
・観光名所は不要だけど、近辺をのんびりと歩き回れそうな所

そして投宿期間は1週間程度を目安にしていました。

最初は、比較的近くてある程度温暖な湯河原、熱海、伊豆方面をあたったんですが、良さげな宿はどこもかしこも高い。
この料金ならってところを見つけても、予約が先まで埋まっていて近々に連泊なんてとても無理です。
仕方なく上信越や東北方面に少しずつエリアを広げていきましたが、これは!って所が見つかりません。

駄目かな・・・と諦めかけていたら、目に入ったのがこのサイトでした。

www.yukaimura.com

風情があって雰囲気が良さそうだし「本格的な湯治体験」のコピーに惹かれました。
それに「下風呂」って地名がいいじゃあないですか!

ただ問題はその場所です。
このような最果ての地(ゴメンナサイ)は全く考えていませんでした。

行くだけで大変!
ちょっと辛いなあ~と思ったんですが「そうだ!」と閃きました。
JR東日本の期間限定お得な切符
「旅せよ平日!JR東日本たびキュン 早割パス」
があるじゃないか!

3月14日までの平日利用限定で、1日1万円で乗り放題。
この切符、新幹線の特急料金も座席指定2回込みで無料。
また、JR東日本全線だけでなく、いくつかの第3セクターも料金内に含んでいて、青い森鉄道(東北本線)も対象なのだ。

横浜から青森県のJR大湊線下北駅まで、通常なら特急料金込みで約19,000円かかるところ、1万円ポッキリで済んじゃいます。
もうこれは私のためにあるようなものだ。

ただし、利用開始の最短14日前までに購入する必要あり。
この旅程を決めたのは2月24日のことでした。
14日後以降の平日に出発し、3泊4日で3月14日までに帰ってくるには、3月11日~14日しかないじゃん(笑)

急ぎ宿に連絡したところ、部屋は空いているとのこと。

早速「えきねっと」で新幹線の予約を取ろうとしたんですが、東京駅を朝いい時間に出る列車の座席が全然空いていない!
16日前なのにどういうこと?

これが東京駅以降の往路の経路です。

東京
  ↓(JR東北新幹線)
八戸
  ↓(青い森鉄道)
野辺地
  ↓(JR大湊線)
下北
  ↓ 下北交通佐井線(路線バス)
下風呂温泉

下北駅を発車する最終バスが16時55分発なので、これに間に合わせるためには東京駅11:20発の「はやぶさ21号」が最終です。
ようやく空いている席を見つけたのは、この「はやぶさ21号」でした。

思わずガッツポーズが出ました(笑)

「キュンパス」って(笑)

(続く)