Now or Never

今でしょ!

米国デビューアルバム!ではなかった Meet The Beatles! (US)

Meet The Beatles!

ビートルズに会おう!

私が生まれて初めてレコード店で買った、いや買ってもらったLPレコードです。

「レコード店で」と形容詞がつくのは、それ以前に友人の兄貴から、中古のSgt.を格安で譲り受けたことがあったから。

購入の契機はと言うと、ついつい個人的な思い出話になってしまいますが、、、

小学校6年生の夏休みのことだったか、時期ははっきりと覚えていません。

新聞の片隅に掲載された「ビートルズの輸入版格安大放出」的なごく小さな広告が目に入ったことがきっかけでした。

おそらく母にねだったんだと思いますが、広告を頼りにこの東銀座の店に行って、好きなレコードを1枚買ってもらうことになりました。

後にも先にも、母と銀座へ出かけたのは生涯この一度きり。

先に銀座で母の買い物に付き合ってから、新聞広告を頼りに東銀座のレコード店へ。

そこは、自宅の最寄駅にあったレコード店とは全然様相が異なり、ビルの中の出来合いの臨時特設販売会場みたいな一角でした。

まだ私は、ビートルズのアルバムタイトルとジャケットが一致しないような時期で、帯のかかっていないジャケットを見ながら、とにかく好きな曲が詰まっていそうなアルバムを選ぼうと、ろくすっぽ英語も読めないのに、それぞれのアルバムに聞き覚えのあるタイトルや曲名が書かれていないかを必死で探しまくっていました。

そして目に止まったのが、見覚えのあるこの象徴的なジャケットです。

これが現物

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キャピトルの"Meet The Beatles"。

米国における1stアルバムです。

・・・と40年近くも信じてきました^^;

我ながら、無理もないと思います。

ジャケットにはこんな記述もあるし、、、

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地元のレコード店にも置いてあった日本での1stアルバムと同じデザインですから、、、

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ところが、このアルバムはキャピトルが販売した最初のビートルズのレコードだったのは間違いありませんが、実はそれ以前にヴィージェイ・レコードから米国におけるビートルズの正真正銘デビューアルバムが販売されていたことを知ったのは、ほんの数年前のこと。

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マイナーレーベルから販売されたこのレコードは当初全く売れなかったようです。

その後、大手キャピトルがビートルズと契約して販売権を得て初めて出したアルバムが、本日紹介する「Meet The Beatles」です。

この「Meet The Beatles」 は時流にも乗って爆発的にヒットしたものだから、これを1stアルバムと勘違いしていた人は米国にもたくさんいたのでは?と推測します。

まあとにかく、こうして初めて手に入れたアルバムが米国編集盤だったことが、その後のビートルズのレコード購入に大きな影響を与えることになりました。

当時、私にとってレコードは高価で滅多に買うことの出来ない宝物。

以降、レコード選びで重要になったのが、いかに収録曲が被らないように増やしていくかでした。

私の場合、最初に米国編集盤を選んだことで、以降は必然的に米国編集盤を揃えていかざるを得なくなったのです。

回りの友人は普通に国内編集盤を買っていたので、私は普通手を出さないレコードを持っているちょっと変わった奴になりました^^;

でも、ボーカルが右に寄った判り易いミックスは、「俺のレコード、ステレオだもんね!」と当時はえらく自慢だったものです。

何故かボーカルが真ん中だった「I Want To Hold Your Hand」と「This Boy」は、モノのマスターから作った擬似ステレオだったことを知ったのは、ほんの数年前のことです(;^_^A

このように私にとっていろいろと感慨深い1枚です。

当時手にしたのは、その時はもちろん意識しませんでしたが、60年代後半に発売されたと思われるapple再発のステレオ盤。

こうして、私はその後の生涯、この思い出の詰まったレコードを我が子のように大切に、そして擦り切れるまで聴くのでした。

おしまい。

・・・では終わらないんすよね~

「初期のビートルズはモノラルで聴け!」は、先日亡くなったジョージ・マーチン氏の有名な金言です。

また「オリジナル」の響きには、どうしても抗えないものがあります。

結局、数年前にオリジナルのモノ盤を手に入れました。

Meet The Beatles (US)  [1964.01.20]

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宝物はこちらにスイッチ(;^_^A

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その後は針を落とすのも、もっぱらこっちばかりとなっています。

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※右の矢印に記載したのは編集元となる英国盤

A1. I Want To Hold Your Hand ←シングル(5枚目A面)
A2. I Saw Her Standing There ←Please Please me
A3. This Boy ←シングル(5枚目B面)
A4. It Won't Be Long ←With The Beatles
A5. All I've Got To Do ←With The Beatles
A6. All My Loving ←With The Beatles

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B1. Don't Bother Me ←With The Beatles
B2. Little Child ←With The Beatles
B3. Till There Was You ←With The Beatles
B4. Hold Me Tight ←With The Beatles
B5. I Wanna Be Your Man ←With The Beatles
B6. Not A Second Time ←With The Beatles

当時のアメリカではシングルでヒットした曲を後発のアルバムに収録したり、アルバム収録曲を節税対策で12曲以内に収める慣習があったため、英国オリジナルのアルバムとは別物になってしまっています。

同じロバート・フリーマンのフォトがジャケに使われた英国盤の「With」とは9曲が共通していますが、スマッシュヒットシングルを含まない本家「With」に比べて、アメリカ上陸を果たしたA1をオープニングに配したこのアルバムの方が、個人的にはキラキラと輝いている印象があります。

ビルボードのアルバム・チャートで11週連続第1位。

発売後2週間で75万枚、2ヶ月で365万枚販売。

アメリカでビートルズが社会現象となった、まさにその歴史の証人のアルバムなのだ。

◇リリース : 1964.01.20
◇カタログナンバー : T-2047
◇モノラル/ステレオ : モノラル
◇レーベル : レインボウ・キャピトル
 ・レーベルの盤面表記が「l」ではなく「1」(横ヒゲあり)
 ・A1のクレジットだけがBMI
◇トレイル・オフ・エリア情報
 ・マトリクス : T-1-2047-G8 / T-2-2047-F7
 ・プレス工場を表す記号が"*"(L.A.)
◇ジャケット
 ・表面 "BEATLES"がオリーブ・グリーン
・裏面左下 "Produced by GEORGE MARTIN"なし
 ・裏面右下 印刷会社を表す番号が"6"
◇インナースリーブ : カンパニースリーブ(青)