Now or Never

今でしょ!

続・アップル矢印帯赤盤に萌えた頃 ビートルズ!(日)

前回、ようやく本題の日本国内盤の紹介順が回ってきて、国内ファーストアルバムを紹介しました。

ビートルズ! (日) [1964/4/5]

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あれこれ書きたいことがあったのに、結局その時思いついたことから勢いで書き出したら、案の定書き損ねたこと多数。

そこで、書き残したことを追記させていただいて、本アルバムの紹介を結びます。

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先ずはこの盤のプロフィールから。

◇リリース : 1964.04.15
◇カタログナンバー : AR-8026
◇モノラル/ステレオ : モノラル
◇レーベル : アップル
◇トレイル・オフ・エリア情報
 A面 ・(4~6時)2EJ-13- 2S2 7 〄(←ジスマーク)
    ・(11~0時)1C 1II
 B面 ・(5~6時)2EJ-14- 2S2 9 〄(←ジスマーク)

ちなみに、手持ちのフォーエバー帯の盤は、、、

◇トレイル・オフ・エリア情報
 A面 ・(9~11時)2EJ-13- 2S2 75 〄(←ジスマーク)
    ・(3時)5 - X
 B面 ・(10~12時)2EJ-14- 3S S 〄(←ジスマーク)

ジャケット裏面のライナーノーツは、2013年に亡くなったDJ高崎一郎(表記の通り)さんによるもの。

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「ビートルズ旋風アメリカを襲う!」の見出しで始まる名文は、当時のアメリカでのブレークぶりをリアルタイムで臨場感豊かに伝えるものでしたが、1976年の国旗帯リイシュー時に差し替えられてしまいました。

「マニア」を示すこの表現、今では御法度であります。

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前回、ちらっと書いたジャケットの製法の話。

ジャケットの作りには、A式(America式)とE式(Europe式)があります。

A式はジャケットサイズに成形した紙に、印刷した紙を貼り付けたもの。

E式は印刷した紙を組み立てたもの。

矢印帯時代までの国内盤はE式で作られています。

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ペラペラの薄い紙が使われてたので「ペラジャケ」と呼ばれたのは前回記事の通り。

触ると頼りない感じですが、表面がビニール・コーティングされているため、見ている限りでは綺麗なものでした。

一方、フォーエバー帯からはA式に改められました。

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しっかりして高級感がありますが、ペラジャケに比べると色気が感じられないものです。

さて、矢印とかフォーエバーとか呼んでいる帯についても、簡単に紹介しておきます。

ジャケットを飾る帯は時代とともに変遷を重ねてきました。

ビートルズのLPレコードの帯は、ファーストアルバム登場時の半掛け帯に始まって、半円帯、V字帯、矢印帯、丸帯(瓢箪帯)と変わっていきます。

国内盤の新譜発売時の帯を辿りますと、、、

1. ビートルズ!(Meet The Beatles) 半掛け帯(1964年)
2. ビートルズNo.2(The Beatles' Second Album) 半掛け帯(1964年)
3. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day's Night) 半掛け帯(1964年)
4. ビートルズ'65(Beatles For Sale) 半円帯(1965年)
5. ビートルズ No.5!(Beatles No.5) 半円帯(1965年)
6. 4人はアイドル(Help) 半円帯(1965年)
7. ラバー・ソウル(Rubber Soul) 半円帯(1965年)
8. リボルバー(Revolver)V字帯(1966年)
9. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band) SGT帯(1967年)
10. マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour) サントラ帯(1967年)
11. ザ・ビートルズ(The Beatles) 丸帯(1969年) ※通称「ホワイト・アルバム」12. イエロー・サブマリン(Yellow Submarine) サントラ帯(1969年)
13. アビイ・ロード(Abbey Road) 丸帯(1969年)
14. ヘイ・ジュード(Hey Jude) 丸帯(1970年)
15. レット・イット・ビー(Let It Be) 丸帯(1970年)
(注1)米国編集盤も独断で入っています。
(注2)名前が定着していない一部の帯は、勝手にここで命名しました。(SGT帯、サントラ帯)

この中に↑矢印帯はありません。

そう、矢印帯は1967年に登場したリイシュー向けの帯でした。

私がビートルズに目覚めた1970年当時は、"Let It Be"が発売されて、ちょうど全てのオリジナルアルバムが世に出揃った時期です。

このタイミングの国内盤スナップショットをとることが、私のレコード収集の目的でした。

この時、1967年までに発売されたアルバムは矢印帯、以降に発売されたアルバムは新譜発売時のオリジナル帯でした。

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今見れば、何とも色気のない帯ですが、これが自分の郷愁スイッチなので如何ともし難く。。。

モノ盤とステレオ盤で矢印の中の装丁が異なるのが、ささやかなアクセント^^;

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しかし、今さらながら、こうして帯を見ていると、その功罪を考えてしまいます。

趣味性を高めるのに貢献しているのは確かですが、「こんなやっかいな物なければ良かったのに」と思うこともあります。

帯を作ってジャケットに装着するコストは、他国に比べて高いレコード価格に間違いなく跳ね返っている筈。

いやいや、もっと深刻なデメリットはジャケットを隠していること。

帯を外さないとライナーノーツが読めないし、、、

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ジョンが見えない。

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タイトルの"MEET"も見えませんが、、、

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米国盤の"MEET THE BEATLES "と差別化するために、アルバム名から"ミート"を削って"ビートルズ"にしたので、これは結果オーライか^^;

でも、、、レーベルや歌詞カードは堂々と"MEET THE BEATLES"丸出しです。

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ちなみに「ビートルズ!」の安直なアルバム邦題も如何なものかと。。。

他には、"!"を一つ追加したアルバムとか、「ザ」を付けたアルバムとかもありまして。

このアルバムも、誰も決して本名で呼ぶことのないアルバムの一つとなっています。

閑話休題、帯の話でした(笑)

1970年当時の帯状況をここまで書いてきました。

時を同じくしてビートルズは解散します。

その後、1972~3年頃に登場したのがフォーエバー帯です。

東芝音工によって"ビートルズ・フォーエバー"と解散後のキャンペーンが打たれ、その一環で発売時期によってまちまちだった全タイトルの帯の意匠を統一しました。

帯の下端に"THE BEATLES FOREVER"のキャッチフレーズが印刷されていたため、「フォーエバー帯」と呼ばれるようになりました。

このキャンペーンは大当たり。

日本におけるビートルズの本当のブームは、解散してから始まったと言われています。

最後に音の話を。

ビートルズ聴くのに音質語るか?

とシラける自分がいるのも確かですが、実際にモゴモゴした音で聴いた後に、音が飛び出してくるようなソースを再生すれば、ビートルズだっていい音で聴くべし!と実感します。

ちまたではUKオリジナルの音がいいと言われます。

今回改めて、英米日のファーストアルバムを聴き比べてみましたが、違いは歴然。

一聴してわかるのは音量・音圧です。

もしかしたら国内盤は録音レベルが低いだけなのか、アンプのボリュームを上げて同レベルで聴いてみると、様々なノイズがクローズアップされて聴けたものではありません。

S/N比が違うってことでしょうか?

うーん、多分違うな。

残念ながら、自分にはこれらの違いを説明できるだけの耳もオーディオの経験も持ち合わせていないので悪しからず・・・