Now or Never

今でしょ!

真犯人は誰だ?

このブログを書くようになってから初めてのサスペンス編となります(笑)
そして、ここに書くことは全て実際に私の目の前で起きた現実の出来事である。

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昨日、院内のシャワー室を利用してシャワーを浴びに行った時のこと。
服を脱いでから滑らないように慎重に室内のシャワーの前までいってみると、、、
何とバスチェアの上に、およそこの場に相応しくない親指大のある物体が付着していた。
外に落ちていれば「落とし物」と呼ばれるあれである。
とてもここに座る気になれず、シャワーを諦めて泣く泣く引き返そうとも思ったが、もしもこのままにしておいたら、次のシャワー利用者に俺が犯人だと思われてしまう。
とにかく大量のお湯をシャワーで浴びせて流してから、腹を決めてシャワーを使った。

シャワー室を出てから速攻でナースステーションのカウンターに置いてあるシャワーの予約表を見に行って、直前に使った患者を確認。
それは隣室のS氏だった。
自分の犯した罪に気付かないお尻の緩んだ高齢者だろうか?
どんな顔しているんだか見てみたくて、病室の前で張り込みをやろうと一瞬頭に浮かんだが、それは流石にこっちがヤバい奴になるので自制した。
今後同じ目に遭わないように、シャワーを予約する時は必ずS氏の使う前に予約しようと心に決めるのだった。

そして今朝のこと。

シャワーの予約は午前8時に始まる。
ナースステーションのカウンターに置かれる予約表は、30分の利用時間枠毎に希望者が名前を記入できるようになっている。
朝食を終えた俺は、8時をちょっと回った頃、午後イチの予約を真っ先に取るためにナースステーションへ。
すると驚いた。
何とあの⚪︎⚪︎⚪︎野郎ことS氏が、午後イチに予約を入れているじゃあないか!
これは一体何のつもりだ。
おそらくは午後イチを予約したくて、予約開始と同時に書き込みに訪れたに違いない。
誰よりも先にシャワーを使って、そこにトラップを仕掛けたい変態なのか?

その時ある考えに思い至った。
そこまでして最初に使いたかってことは、もしかしたらS氏もまた俺と同様、実は被害者ではないだろうか?
目の前の落とし物を見て怯んでしまい、現場をそのままにして命からがらその場を逃げ去っていったのかも知れない。

とすると、真犯人はS氏の前にシャワー室を使った誰かということになる。
実は、昨日予約表を確認した時に、もしかしたらそんな可能性もあるかとS氏の前に使った患者の名前をチェックしていたのだ。
しかし、それは確かありきたりの苗字で既に忘れてしまった。
スマホのカメラで予約表を撮影しておこうかと一瞬頭をかすめたが、、、

院内のこの貼り紙を思い出して、ナースステーションのカウンターに置いてあるこの個人情報丸出しの予約表にスマホを向けることが俺にはできなかった。

真犯人を突き止める術を失った今となっては、毎朝8時前にナースステーション前で予約開始を待ち構えて、その日最初の時間枠を確保するしか我が身を守る方法はなくなった。
でも、そんなに不審な行動、この外面を気にする俺にできるのか?
果たして退院までの1週間。
俺は無事シャワーを浴びる日々を送れるのだろうか。
それともまた・・・