Now or Never

今でしょ!

Love Me Do

久しぶりで「新品」のレコードを購入しました。

昨年、ビートルズのデビュー50周年ということで、記念レコード(アナログ盤)が発売されました。

一つが、アルバム全14作品のLP限定ボックスセット。
2009年リマスターCD音源に準じたステレオ版だそうです。
概ね4万~6万くらいで売られていますが、それだけあれば、程度の良いホワイトアルバムのUKオリジナルが買えるので、私的にこれはパス。

もう一つが、50年前の英でのデビューシングルの復刻盤。
A面が"Love Me Do"、B面が"P.S. I Love You"です。
こちら、お値段も安いので「1枚買っておくか」とも思ったのですが、どうやらこれがイマイチで、、、

・ソリッドセンター(オリジナルはプッシュアウトセンター)
・B面のレコード番号間違い

おまけに、昨年の発売当初は、オリジナルの英シングル盤とは異なるテイクの「アンディー・ホワイト版」(後述)が収録されていて、回収騒ぎとなったようです。

"Love Me Do"には、よく知られた3つのテイクがあります。
いづれもメジャーデビューの1962年のセッションですが、各テイクはドラム担当が違うんですね。
何故、僅か3ヵ月のうちにドラム担当が二転三転したのか?
ここらの経緯は、ビートルズ本やネットで巷に溢れていますので、ここでは割愛します。

ここでは、ビートルズファンにとってはバイブル的な存在?の『the complete BEATLES Recording Sessions』から、面白そうな逸話をご紹介します。

■1962年6月6日テイク(ds ピート・ベスト)
恐らくは彼らにとって初めてのスタジオ録音。
同書によれば、グループの力量を見るためのアーティスト・テストだったようです。
セッションが終わってから、コントロール・ルームで話し合っても、ダラダラして反応の悪い彼らに対して、
「おい、私は君たちのためにこれだけの時間を割いているのに、君たちは何の反応も示さない。何か気に入らないことでもあるのか?」
と尋ねたジョージ・マーティンに対して、
「うん、あなたのネクタイが気に入らない」
とジョージ・ハリソンが答えたといいます。
これをきっかけに彼らは打ち解け、後にジョージ・マーティンは5人目のビートルズと言わるくらい、彼らに影響を与える存在となったのだから、面白いものです。

■1962年9月4日テイク(ds リンゴ・スター)
ファースト・シングル用の2曲をレコーディング。
15回以上のテイクを重ねた。
ポールは、ピートを追い出して新たに迎えたリンゴのドラミングに不満があったようです。

■1962年9月11日テイク(ds アンディー・ホワイト)
4日のセッションのリンゴのドラムにジョージ・マーティンが満足していなかったため、セッション・ミュージシャンのアンディ・ホワイトを呼んでドラムを叩かせ、リンゴにはタンバリンを叩かせています。
ちなみに"Love Me Do"は18テイク!

メジャーデビューにあたって、真意はわからないものの追い出されたピートの件は置いておいて、、、
9月4日のセッションが気に入らなくて、わざわざ1週間後にアンディ・ホワイトを雇ってドラムを叩かせ、リンゴにはタンバリンを持たせてファースト・シングルを録り直したのが、私的にはとっても不思議です。
(結局、ファースト・シングルにはリンゴ版が採用されるものの、後に発売されたLPと、翌年以降に発売されたシングルにはアンディ・ホワイト版が採用され、リンゴ版は長い間幻のテイクとなりました)

"Love Me Do"にドラムスの聴かせどころがあるように思えないですし、そもそも両テイクを聴き比べても、リンゴのタンバリンが聴こえるか聴こえないかの違いしか、、、いやそれも、その事実を知って「なるほど」と初めて気付いた程度です。

もっと本音を語ってしまうと、"Love Me Do"はどうも私の琴線には引っかからなくて。。。
ビートルズを聴くようになってかれこれ40年。
この曲をいいと思ったことはないです、ほんとに[E:coldsweats01]

むしろ、B面の"P.S. I Love You"は、その後のビートルズ・サウンドの原点に聴こえて、その昔からのお気に入りでした。
サビのヴォーカルで曲が始まり、心地よいメロディーラインと、見事な3人のコーラス・ユニゾンは、初期のビートルズの特徴の一面を凝縮しているのではないでしょうか。
この曲、口に出すには恥ずかしいタイトルで、なかなか「好きだ」とも言い辛い曲であり、実際のところあまり話題にも上がらない曲ですが、ビートルス・ファンの方、どうなんでしょう?

さて、能書きが長くなりました。
私が買ったレコードは、実は上記どちらでもなく、こんなコンピレーションアルバムです。

THE BEATLES ' FIRST SINGLE
Dsc02378

コンピレーションと呼ぶのは不適かも知れません。
ファーストシングルの2曲の他は、サブタイトル"PLUS THE ORGINAL VERSIONS OF THE SONGS THEY COVERED"の通り、ビートルズがカバーした曲のオリジナルを集めたアルバムとなっています。

Dsc02379

これらのカバー曲がビートルズのオリジナルでないことは知ってはいたものの、実際のオリジナルをほとんど聴いたことがない私にとって、かなり貴重なアルバムです。

このアルバムで一つわからないのが、オリジナルの2曲が、アルバムの先頭とB面のラストにそれぞれ2回登場するのですが、どちらも同じテイクに聴こえます。

これ何で??