先日、ジャンヌ・モローの訃報が伝わりました。
数ある彼女の作品の中で、ジャズファンならば先ずは思い出されるのがこれだと思います。
ちょっとした偶然から計画がガラガラと崩れていくストーリーは、同じフランス映画の「太陽がいっぱい」を連想させます。
音楽が印象的なのも共通点ですね。
映画は1957年制作で、サントラ盤も同年発売されました。
1957年と言うと、、、
マイルスのディスコグラフィーを辿ると、マラソンセッション4部作を発表した翌年。
そして、あのモード奏法のはしりと言われる「マイルストーンズ」が発表された前年にあたります。
マイルスは、演奏スタイルをドラスティックに変えて、決して過去に戻ることのなかった人。
この時期は、後に「カインド・オブ・ブルー」で完成させたと言われるモード奏法を取り入れる直前の、マイルス史上節目の時期の1つだったと思います。
今さらですが、、、
ビバップ
クール
ハードバップ
モード
エレクトリック(クロスオーバーと呼ぶのは抵抗あり過ぎて・・・)
ファンク(エレクトリックと分けられないけど・・・)
ラップ(と呼んでいいのか・・・)
節目があり過ぎる人ですね(;^_^A
レパートリーを増やすのではなく、過去を捨てて行く。
1960年台末期に、エレクトリックサウンドに移っていってから以降は、2度とアコースティック・ジャズに戻ることはなかった。
イベントやちょっとした余興でも、スタンダードなフォービートの演奏を行っていないと思います。
あのVSOPにも参加しませんでした。
お金稼ぎなのか、寂しがりやなのか、何度もグループを再編したり再結成するアーティストたちとは一線を画す存在でした。
なーんて、久しぶりに非電化マイルスを聴いて感傷に浸ってしまった。
ケニー・クラーク(ds)以外は、フランスで現地調達したミュージシャンを従えて録音したこのアルバム。
サントラ盤としての評価はともかく、純粋にジャズのアルバムとしてはさほど評価されていなかったと思いますが、私は好きです。