Now or Never

今でしょ!

ネットワークオーディオの行き着く先

最近よく耳にする「ネットワークオーディオ」
これって何だろうと、ネットを検索して調べてみました。

簡単に言ってしまうと、音源を格納した機器と、これを再生する機器とを同じネットワーク上に配置し、ネットワークを介して音楽を再生するスタイルのオーディオのことを言うようです。

一般的には、NASと呼ばれる音源ファイルを格納したファイルサーバと、これらの音源ファイルを読み込んでアナログ信号に変換してアンプに引き渡すネットワークプレーヤーによって構成されます。

最近は死語となった"C/Sシステム"を思い浮かべると理解が早いと思います。
音楽データを提供するサーバと、これを再生するクライアントで構成されるシステムです。

ネットワークオーディオってものが流行る以前から、PCのiTunesに溜め込んだ楽曲を手持ちのオーディオを使っていい音で聴きたいなんて人は、サウンドカードのアナログ出力をアンプに繋いでみたり、それでも音質に満足出来なければちょっと高価なUSB DACを買ったりして楽しんでいたと思います。

では、ネットワークオーディオは、何故ゆえに生まれたのでしょうか?

・わざわざPCを起動しなくても音楽を聴けるように?
・PCを別の目的で使用している時にも、これと干渉せずに音楽を楽しむため?
・ノイズの巣窟であるPCを介さないことによって音質向上を目指した?
・"ちょっと見"新しい「ネットワークプレーヤー」「NAS」を売り込むメーカーの下心?
・自身が所有する全ての音楽データを、必要に応じて設置したどのクライアント(プレーヤー)からも再生できるように?

利用者側の利便を普通に考えると、最後の理由が一番大きいと思います。
家中の全てのPCやスマートフォンから、聴きたい音楽がいつでも取り出せる!

でもそれってどうなんでしょう?

この考えが行きつくところは、今や使い古された技術・言葉ですがクラウド化ではないかなあと・・・

NASを個人で所有・維持・管理するには、使いたい時にいつでも使えるように電源を入れっ放しにするのはもちろんのこと、不意のトラブルに備えてバックアップをとっておく必要もあります。
また格納する楽曲の増加に合わせて、ストレージの追加も必要になっていくでしょう。

こんな面倒な思いをして個人でNASを維持していく位なら、クラウドサービスを利用しちゃえと考える人も出てくると思います。
もちろん料金次第でしょうが、安価でサービスを提供できれば、NASを提供するクラウドは十分商売になるのではと思います。

しかし、さらに一歩踏み込んで考えると、そもそもNASを個人で持つ必要があるのかという疑問に行き着きます。

古今東西全ての音源をクラウドで提供するサービスが出来たら、、、
聴きたい楽曲のソースを個人が苦労して入手するのではなく、全ての楽曲が適切にハイレゾ音源化されて、望む時にいつでも提供されたら、、、

もちろん、こんなシステムを構築・維持するためには莫大な費用がかかるだろうし、音楽を楽しむ全ての人が望むサービスとも思えないので、これは現実味のない夢物語かも知れません。
ただ、好きな音楽を好きな時に好きな場所で楽しむ姿を突き詰めていくと、おそらくこれが究極の形ではないかと思います。
趣味のオーディオという見地からは、こうして提供される音源データをどう調理するかを、オーディオを趣味とする各人が工夫して楽しめばいいのです。

では、これが私自身の求めるオーディオの楽しみ方かというと、、、
違うんですねえ~

次は何を聴こうかとジャケットをパタパタとめくりながら考える。
「これだ」と決めたジャケットを取り出し、インナースリーブからレコードを出してターンテーブルに置き、軽く表面の埃をとってから針を落とす。
「ボッ・・・」
あの独特のノイズを聴きながら、音楽が始まるのを待つ。
この一時も私にとっては音楽を楽しむかけがえのない時間なんです。
「音楽を楽しむ本質でない」と言われればその通り。
でも、これまでこうして音楽を楽しんできたものを、今更変えようもありません。

以上、思いついたことを、思いついたままに書いてきました。
ネットワークオーディオに関しては超浅い知識に基づいて自分の思いを書きなぐっていますので、もしも事実誤認があればご指摘いただければと思いますm(_ _)m