Now or Never

今でしょ!

イタリア一周旅行

交通事故で全治6週間の怪我を負っちゃいました。

取りあえず今週は仕事を休んで療養することにしたけれど、左肩・左手が動かせずに何をしたものか?
身体に負担をかけずに行える有意義なことは何か?

こんな時こそ、仕事関係の資格試験の受験勉強でもやったろか!
なーんて思い付きは瞬殺しまして[E:coldsweats01]、録画したまま観ていなかったロードレースを観ることにしました。
そうなんです。
大好きだった「ジロ・デ・イタリア」でさえ、今年は1ステージすら観ていなかった。
何でだろう・・・

こうして、この3日間で、撮り溜めた全ステージを一挙に鑑賞しました。

イタリアは、例年より季節の訪れが1ヵ月遅れていたそうで、かつて見たこともないツアーの天候に驚きました。
ジロのステージが向かう先々が雨に見舞われて、イタリアは梅雨だったの?と思いたくなるような毎日のステージ風景です。
そして、後半山岳ステージでは、季節外れのとんでもない大雪!

いよいよ山岳ステージ後半戦に突入する第14ステージでは、J SPORTSの放映で、どういう訳だか別府始さんが解説ではなくナビゲータを務めていましたが、まるで彼に試練を与えるかのように、ゴール地点の映像しか現地から届かないトラブルに見舞われていました。

そして、今大会のチマコッピ標高2758mのステルヴィオを有し、累積標高差4267mというとんでもなく過酷な第19ステージは悪天候で中止に。(ステージ中止は25年ぶりだそうです)

こんな天候によるハプニングもさることながら、先ずは初戦を観て、いつもの面々が出ていないことに軽くショック!

イヴァン・バッソ
レース前に嚢胞発症でドクターストップとなったそうです。
バッソのツィッターには、こんな言葉が。

「強い失望と、怒りと、悲しみだ。でも、笑いを見出し、前を向いていくことへの思いはそれよりも強い。ここでは終わらない、私にとっても、みんなにとってもここで終わらせてはならない」

かっこいい台詞!
でも・・・ 原因は、おまたのデキモノ・・・[E:coldsweats01]

アレッサンドロ・ペタッキ
チームランプレ・メリダ公式サイトで引退を表明していました。
このブログでも、春先のパリ~ニースでの健在ぶりを紹介したばかりなのに驚きです。 

本人の引退宣言。

「僕のこれまでのキャリアは、僕のような選手が目指すような重要なレースでの勝利に彩られて、満足感でいっぱいだ。200に達する勝利で、もはや僕の人生は格別なものになった。次の次元のことを見つけるためのターニングポイントだ。家族とももっと多くの時間を過ごしたい。こういった考えが僕にキャリアを休止させるよう導いた」

大好きだった選手[E:weep]
紫色のポイントジャージを着て、ファッサ・トレインから抜け出し、ゴールを突き刺した姿を忘れません[E:paper]

ダミアーノ・クネゴ
ポール・スミス氏がデザインした今年のジロ各賞ジャージのお披露目会におめかしして出席したのに、何故かスタートリストに乗っていませんでした。

彼はジャパンカップで2度優勝しているためか、日本では人気の高い選手だけれど、生憎私はあまり思い入れがないんです。
同じイタリア人でも、チッポリーニやペタッキのようなオーラを感じないし、ベッティーニやディ・ルーカみたいなギラギラ感もなく、さりとてシモーニやサヴォルデッリのようないぶし銀?の味もない。
ちょっとかわいい、どこにでもいる普通のあんちゃんみたいで・・・

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それでは、私的に印象的だった今年のジロの名シーンを語ります。(ド長文注意[E:sign03])

総合優勝争いは、大差をもってニバリが輝きました。

最難関となった第20ステージを制したニバリ
※画像はJ SPORTSの放映画面をカメラで写したものです。以下も同様※

Dsc04566

ニバリは確かに強かったし、彼の総合優勝にいちゃもんを付けるつもりは毛頭ありません。

でも正直、盛り上がりに欠けたと思います。
原因は、、、
ディフェンディングチャンピオンのヘシェダルと、SKY軍隊で盤石と思われていたウィギンスの早々の戦線離脱。
そして、いつもそれなりに上位に入るけど、見せ場が作れないエヴァンス。
この3人が戦犯と勝手に決め付けちゃいます。

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一方、ポイント賞を目標とするスプリンターの戦いは面白かった。

圧巻だったのは第12ステージと第13ステージ。
どちらも、一見平坦基調だけど終盤に起伏を設けた、とっても意地悪なスプリントステージでした。

どちらも制したのはカヴェンディッシュ。
ゴ-ル前の峠を耐えて凌いで、なおかつゴールで爆発的なスプリント力を見せつけました。
ゴール後の疲れ果てた彼の姿は、レース中の人並み外れた忍耐と集中の裏返しを映したもので、とても感動的でした。

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もう一つ、こちらはプチ印象的だったシーン。

山岳コースでの個人タイムトライアルだった第18ステージ。

後ろから15番目に出走したサミュエル・サンチェスが、大差を付けて暫定トップ。
暫定トップとなった選手は、ゴール後にクールダウンも出来ずに、モニター席に座らされてその姿をTVに映されます。
要するに、自分の後に走る選手の走りっぷりを見ながら、自身のタイムが破られないかハラハラする姿を世界中に配信されちゃうんです[E:delicious]

で、このサンチェス。
物凄いポーカーフェイスで、有力選手のタイムが思ったように伸びなくてもニコリともしません。

ところが、、、

最後から4人目の発走となったスカルポーニがいい走りをして、サンチェスのタイムを上回りそうな勢いです。
しかし、好走するもゴール直前でタイムが届かないことを確信したサンチェスのこの表情。

Dsc04556

思わずにやけてしまいました[E:smile]

ところが、いよいよ最終走者のニバリが桁違いのタイムでゴール前に現れると、、、

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レースをしない俺にもわかるよ、、、その気持ち[E:down]

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そして、もう一つのプチ名場面。

最終ステージでの凱旋パレードでのスナップです。
集団の前に飛び出したこの選手は、2000年に総合優勝したガルゼッリ。

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左下の「GOODBY」のテロップ。
そう、遂に今年引退を表明しました。
また一人、ロードレース界のビッグ・ネームが自転車を降ります[E:weep]

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さて、最後に。
今年のジロを語る上で避けられない話題。

ジロ直前に復帰したばかりの「ダンディ」ディ・ルーカが、ツアー中にレース外検査でEPO陽性。

昨年、あのランス・アームストロングが、ツール7連覇を含む全タイトル剥奪と、自転車競技からの永久追放となり、今年1月には自身のドーピングをテレビで告白しました。
またつい先日、既に6年前に引退したウルリッヒが自身のドーピングを告白したことが、新聞記事になりました。
ドーピングの追及も遂に聖域にまで及び、ようやくロードレース界もクリーンな体質になったかと思いきや、、、

ディ・ルーカ本人もさることながら、彼を使ったチーム、スポンサーにも呆れるしかありません。

これからのロードレース界では、薬物に頼った超人的プレーヤーがいなくなって、その分、クリーンで地道な日本人プレーヤーの活躍の場が増えていくかも知れませんね。

最後に、私ががっかりしてきた歴史をメモっておきます。
こんな所にドーピングの話を書くのも、これが最後となって欲しいものです[E:punch]

この通りネガティブな話もちょっとだけありましたが、ロードレースはやっぱり面白い!
今週末は、今年100回目を迎えるツールがいよいよ開幕します。
ツールが終わる頃には、私もロードに跨って、またあちこちを走っていることでしょう[E:good]

ここまでの長文、お付き合いいただきましてありがとうございました!

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2006年6月
・リバティセグロスの有名監督サインツがドーピング容疑で逮捕
 リバティセグロスは、スポンサード撤退
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2006/06/post_6d7e.html

2006年11月
・ウルリッヒとバッソ、ツール前日にドーピング疑惑により出場除外
・マンセボ、ベロキ、ヤクシェ、ノサルらがツール不出走
・ツール覇者のランディス、レース後にテストステロンの異常値が発覚して総合優勝のタイトルを剥奪
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2006/11/post_10ce.html

2007年2月
・ウルリッヒが引退を表明
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2007/02/post_0eec.html

2007年7月
・ハミルトン、ヤクシェ、ジロ出場停止。
・ジロで活躍したペタッキ、ビエポリ、マヨにドーピング疑惑
・バッソ、自身のドーピングを認めて2年間の出場停止
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2007/07/post_8fa2.html

2007年7月
・ヴィノクロフにドーピング陽性反応が出てアスタナチームがツール撤退
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2007/07/post_91c4.html

2007年7月
・モレーニがドーピング陽性で、コフィディスがツール撤退。
・ラスムッセンが6月の練習場所について虚偽報告をしていたという理由でツール撤退、ラボバンクを解雇。
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2007/07/post_a110.html

2012年8月
・ランス・アームストロング、ツール・ド・フランス7連覇を含む全タイトル剥奪と、自転車競技からの永久追放
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2012/08/post-a2dc.html

2013年3月
・USポスタルのドーピングスキャンダルの余波で、ラボバンクがスポンサード撤退
http://randonneur.way-nifty.com/bicycle/2013/03/post-e072.html