イタリア旅行していますか?
私はと言えば、昨年大きなブランクがあった分だけ・・・
そして、JSPORTSが放映権を失いジロから離れた4年間の反動もあり、今年はどっぷりと漬かっています。
観戦していて、いろいろなことに気付きました。
何より、UCIのルール改定に驚きました。
UCIが打ち出した新ルールにはこんなのがあります。
ボトル等を路上に捨てることを禁止
環境面に配慮した新ルールですが、実際には沿道のファンへのサービスの一面もあり、また夏場には1チームが数百本もボトルを使用するのに、これをどうやって回収するのか、喧々諤々となりました。
ツール・ド・フランドルでは、AG2Rのミヒャエル・シェールがうっかり沿道のファンにボトルを投げてしまい、その場で失格となっています。
その後、UCIと関係者が協議を行い、観客のいるところであれば廃棄OKとルールが緩和されました。
ジロを見ていると、レース終盤「さあここから!」ってポイントで、観客が集まっている場所に差し掛かると、ポーンポーンとボトルが宙を舞う愉快な光景が見られます。
スーパータック禁止
これは安全面に配慮した新ルールです。
スーパータックとは、言葉で説明するのが難しいのですが、ダウンヒルでよく見られる所謂前乗りのことです。身体を前方に突き出してトップフレームに跨るあれです。
リエージュ~バストーニュ~リエージュでは、イネオスのカラパスがこれをやっちゃって失格となりました。
早速「カラパス乗り」なんて命名されているみたいです(笑)
その他にも、いくつかルール変更点があるようですが、詳しくは栗村修さんの解説を見てください。とってもわかりやすいです。
もう一つ驚いたのが、昨年のツール・ド・ポローニュ第1ステージでの落車事故。
この事故のことは、全く知りませんでした。
ユンボのフルーネヴェーヘンのゴール前の斜行が原因で、クイックステップのヤコブセンが時速80キロでバリアーに激突。
ヤコブセンは頭部を損傷して昏睡状態となった。
幸いなことに命は取りとめたが、顔面の再建手術を行うこと数度。
しかし、4月のツアー・オブ・ ターキーでレース復帰。
いやあ、良かった良かった!
一方のフルーネヴェーヘンは、レース失格はもちろんのこと、事故当初はチームから出場停止処分を受け、その後UCIから9ヶ月間の出場停止処分を科される。
クイックステップの代表からは「犯罪行為」とまで言われて非難され、また深刻な脅迫を受けて警察の保護も受けたそうだ。
そのフルーネヴェーヘンが、出場停止処分が終わってジロに参戦しています。
これは邪推ですが、ユンボのバイクスポンサーが入れ替わったのは、ユンボ側の事情ではなく、この事故でイメージダウンを恐れたビアンキ側の意向だったんじゃないかなんて・・・
さて
ジロは全体の2/3が終わりましたが、私のハートを掴んだレースは第3ステージです。
※ここからはネタバレ注意
昨シーズン後に、ユンボから聞いたことないUCIプロチームに移籍した「タコ」が、ゴール前に渾身の逃げを見せる。
そして、ゴール直前に後ろを振り返り、勝利を確信した瞬間
「うっそー」 ※画像はJSPORTSから借用。以下同
そして、ゴール後
「うっそー」
JKかよ(笑)
でも、本当に嬉しそうな表情に、観戦者もほっこりした場面でした。
ユンボの元チームメイトからも祝福を受けてる。
きっと、いい奴なんでしょうね。
さあ
ジロもいよいよ終盤戦に入ります。
ジロが終われば、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、ツール・ド・スイス、そして今年は6月下旬にツールが開幕します。
話題にこと欠かない今年のロードレースシーンですが、深刻な落車事故だけは本当に勘弁です。