Now or Never

今でしょ!

年の瀬の静かで熱い対局

藤井聡太五冠は、この年の瀬に佐藤天彦九段と重要な3局を戦っています。

その中の1局が、23日(金)の名人戦A級順位戦でした。
A級順位戦は名人位への挑戦者を決める特別な棋戦です。
おそらくは藤井五冠にとっても、他のどの棋戦よりも一番大事にしている棋戦のはずです。
そして
ここまで4勝1敗で迎えたこの一番を、勝利しました。

各メディアは、視聴率を上げ発行部数を増やすために、節目の数字を大きく報道していますが

news.yahoo.co.jp

この1勝の価値は、そんな記録達成よりも遥かに大きいと思います。

これで、リーグ全9戦中5勝1敗となって、遂に単独首位に躍り出ました。

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残る3局の相手には、2敗で続く強敵豊島将之九段と永瀬拓矢王座が待っています。
ただ、この2人には、いずれも他の棋戦でタイトル戦番勝負を全て制しているので、普通に考えれば勝負付けは済んでいる。。。

なーんて言ってしまうと、
藤井五冠、既に全てのタイトル保持者と勝負付けは済んでいて、ライバルがいるとすれば、これから棋士になる自分より若い世代しかいないですね。
まあそうは言っても、1戦の勝負は時の運もあるので、残る3戦に注目です。

王◇玉◇飛◇角◇金◇銀◇桂◇香◇歩

そして、佐藤九段との残る2局はというと、棋王戦挑戦者決定二番勝負となります。

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ん?
二番勝負?
決着つかないじゃん!

と思われる方もいるかと思います。

棋王戦は、トーナメントによってタイトル保持者への挑戦者を決定するのですが、本線トーナメントで敗れた棋士にも敗者復活のトーナメントが用意されている他にないシステムとなっています。
本線で佐藤九段に敗れた藤井五冠は、敗者復活戦を勝ち抜き、本線を勝ち抜いた佐藤九段とタイトル挑戦権をかけて戦いますが、本線勝ち抜き者には1勝のハンデが与えられて、都合二番勝負となるわけです。
プロ野球クライマックスシリーズセカンドステージと一緒ですね。

で、その初戦が19日(月)に行われて藤井五冠が勝利し、ハンデを含めて1勝1敗となりました。

挑戦者を決める2局目は、27日(火)に行われます。
佐藤九段にしてみれば、本線で負かした藤井五冠に挑戦権を奪われたら、それは悔しいでしょうから、熱~い戦いが期待されます。

超楽しみな1局ですね。

www.sankei.comところで、この名人戦棋王戦。
挑戦者になると、待っているのはいずれも渡辺明名人・棋王です。

ja.wikipedia.org

藤井五冠、この渡辺明名人・棋王とは3度タイトル戦番勝負に相対していて、いずれも藤井五冠が勝利しています。

2023年は、藤井五冠が七冠になると同時に、渡辺明名人・棋王が無冠となる可能性もある。

実力が全て
厳しい世界です。

次々とタイトルを奪われる実力者の棋士たち。

「あいつさえ現れなければ」

と思っているでしょうか?

それとも、規格外のとんでもない敵が出現して、より強い生きがいを感じているでしょうか?