Now or Never

今でしょ!

B級1組順位戦最終戦

プロ棋界の話。

1~2月に王将戦七番勝負が行われました。

藤井聡太四冠が渡辺明王将に挑む七番勝負でしたが、正直なところ熱が入りませんでした。
理由は・・・

・2020年と2021年の棋聖戦で若い藤井聡太渡辺明を連破しているので、2人の勝負付けは済んだ印象。(渡辺名人ごめんなさい)
・棋界の頂点(の一つ)のタイトル戦である竜王戦が終わったばかりで、タイトル戦として序列が低い王将戦なんで・・・(毎日新聞ごめんなさい)
王将戦がABEMAで放映されていない。8大タイトルで放映されないのは、王座戦王将戦だけ。(これは致命的)
・始まってみれば、竜王戦に続いてまたも藤井聡太の4連勝で終わってしまった。(もはや驚かない)

こうして、藤井聡太が王将も手に入れて五冠となりました。

残るタイトルは、名人、王座、棋王ですが、もはや私が注目するのは名人位だけです。

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プロ棋界にとって名人戦は単なるタイトル戦ではなく特別な棋戦です。

名人を除くプロ棋士は、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5つのクラスと、どのクラスにも属さないフリークラスのいずれかに属しています。
5つのクラスは、1年をかけてリーグ戦を行い、成績上位者は上のクラスに昇級し、成績下位者は下のクラスに降級します。このリーグ戦のことを「順位戦」と呼びます。
最上位のA級順位戦で優勝すると名人への挑戦権を獲得します。

プロ棋士になるには、まず奨励会というプロ棋士予備軍の組織に入って、同じプロを目指す者たちと戦い、所定の成績を修めるとC級2組に編入し、晴れてプロ棋士となります。
そしてC2→C1→B2→B1→Aと昇級していき、A級で優勝するとようやく名人戦の挑戦者となるわけです。
なので、どんなに強い棋士でも、最短でも5年かけて各リーグで勝ち上がらないと挑戦者になることは出来ません。

藤井五冠は現在B級1組に在籍しています。
このクラスからA級に上がれるのは、成績が上位の2名。
昇級の可能性があるのは、

順位1位の稲葉八段(8勝3敗)
順位7位の千田七段(8勝3敗)
順位11位の藤井五冠(9勝2敗)

藤井五冠の順位が低いのは、前年度B級2組から昇級してきたからです。
で、次に行われる最終戦で勝てば文句なくA級に昇級。
もしも負けた場合、稲葉八段と千田七段がともに勝てば、3名が9勝3敗で並ぶので、順位が低い藤井五冠は頭ハネで昇級できません。
そうなると、名人奪取は早くても2年後の2024年となります。

B級1組順位戦終戦は明日。
藤井五冠の相手は、通算2勝1敗の佐々木勇気七段。
もはや、この勝負を取り落とすとも思えませんが、藤井五冠だって人の子です。
どんな勝負になるのか楽しみです。