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【狂犬通信 Vol.124】神崎遺跡環壕見学会

綾瀬市の南西端にある国指定史跡・神崎遺跡の環壕見学会(最終)に行ってみました。
神崎遺跡は弥生時代の環壕集落遺跡で、東海地方からの移住者が50年程度居住した集落とされています。
発掘された環壕は埋め戻さずに普段は蓋をした状態で保存され、年に1度公開されていましたが、遺跡損壊の恐れがあるため、埋め戻される事に成り、今回の公開が最後になるそうです。
発掘された環壕は、幅4m、深さ1.6mの薬研堀形状です。
面白いのは環壕の内側の堀内壁が外側より斜度が緩く成っている点です。
外部からの進入を阻止するなら逆の方が効果が有りそうですが、不思議です。
戦国期の城郭遺跡の堀は、弓や鉄砲といった投射兵器の有効射程や戦術といった観点で効率的に敵兵を殺傷できる様に、堀の規模や形状が決めますが、弥生時代の環壕集落の堀にはそういった考慮は無いようです。
積極的に戦闘に使用する意図は無いようですね。
日本の防御構造物は、時代における連続性が低い気がします。
弥生期の環壕集落遺跡、8世紀の朝鮮式山城、平安期の東北の城柵、中世以降の城郭、時代と共に進化したというより、別のものの印象です。
朝鮮式山城以外は、外部からの技術導入された訳では無いですから、不思議な感じがします。

遺跡の見学会の最中にも学芸員の人が環壕の土が乾かない様に水を巻いてました。
赤土だから、乾くと崩れちゃうんでしょうね。
これを見ると、埋め戻すのは、正解なんでしょうね。

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※内容に誤りがある事があります。(by 綾瀬の狂犬氏)