備後落合駅で、芸備線から木次線に乗り換えです。
ホームに降りると、ちょっとした人だかりが出来ています。
どうやら、何かのガイドをされている方がいて、その方に促されて何人かが改札脇にある小屋に入って行きました。
慌ててついて行くと、、、
ガイドをされているのは、元々国鉄時代に機関士をされていた永橋さん。
この駅のレイアウトを前に、蒸機時代の駅の様子を説明されていました。
・今こそ無人駅だけど、全盛期は〇〇人の国鉄職員が宿舎に寝泊まりして働いていたこと
→レイアウトの両隅に設置されている4棟の宿舎を指差していました。確か「200人」と言われていたと思いますが、これは流石に聞き間違えかも・・・
・蒸気機関車は夜も火を落とせないので、職員が火の番をしていたこと
・芸備線はC58が、木次線はC11が主役だったこと
などなど、貴重な経験談を聞かせていただきました。
その後、ホームに戻ってから木次線の三段式スイッチバックの見所を教えていただきました。
レイアウトで再現されていた転車台界隈
ホームの先から目をやると、
ありましたあ~!
旅の計画を立てた時は、この駅の乗り換え時間22分に対して、正直「何もなさそうな駅で22分か・・・」と思っていたんですが、もっとお話しを聞きたかったし、もっと駅の様子を見てみたかった・・・
この駅の所在地は「広島県庄原市西城町小鳥原」です。
「落合」の駅名は、土地の名前から付けられたのではなく、2線区が「落ち合う」ところから名付けられたそうです。
もしも芸備線の備後庄原駅~備中神代駅間が廃線になってしまったら、この駅名もいずれ語り草になることでしょう。
いや、それ以前に木次線は再構築協議会の対象とはなっていませんが、廃線が囁かれています。
もしかすると駅そのものが消滅する可能性すらあるんですね。
永橋さんがガイドを続けられている間だけでも、両線が存続することを切に願います。
さて
木次線で宍道に向かいます。
乗り込む車両は、カラーこそ変われどまたも120形です。
単行&ワンマンにもすっかり馴染みました。
木次線のハイライトは三段式スイッチバックに尽きます。
ここを楽しむにはトロッコ列車が最適なんですが、名物列車「奥出雲おろち号」は、この11月に26年間に渡った運行を終了していました。
もう少し早く行っておけば・・・と悔やまれますが、それを言いだすとキリがなくなりますね。
三段スイッチバックがあるのは、出雲彦根駅界隈。
我々が乗る列車は、地図右手の備後落合方面から上手の宍道方面へと勾配を下って行きます。
ここは、(下から数えて)2段目と3段目の折り返し地点。
この辺りです。
進行方向が変わる都度、運転士がブレーキハンドルを手に車内を移動します。
ここが1段目と2段目の折り返し地点。
ここは駅となっているので、少々時間もあるし外に出られます。
三段スイッチバックを過ぎると、列車は深山幽谷の勾配をゴトゴトと下って行きます。
ふと
「俺は何のためにこの列車に乗っているんだろう?」
と疑問が湧いたり、
「宍道に早く着かないかなあ~」
などと、乗ること自体を楽しむ旅であることを一瞬忘れたりします(笑)
ようやく規模の大きい木次駅に着いて、ちょっとホッとしました。
上下線の列車交換でやって来たのは、ラッピング列車でした。
「RAIL is BATON.」のキャッチコピーが書かれた車両が計4両あるようです。
木次線の存続を願う活動の一環でした。
同乗しているお客さんを見ると、生活で使用していると思われる人が見かけられず、「やっぱり難しいのかな・・・」と思ったりもしましたが、宍道が近づくにつれて、駅で交換する下り列車に学校帰りと思われる学生の姿が目につくようになります。
あの子たちは、もしも木次線が廃止になったらバス通学に切り替わるのだろう。
バスだと停留所が集落に合わせて柔軟に設置できるだろうし、実際のところどう思っているのかな?
木次駅から30分ほどで終点の宍道駅に到着。
これにて木次線完乗(^^)v
ところがここで(あわや)大事件が勃発!
米子方面行きの山陰線上り列車に乗り換えるんですが、案内板がありません。
でもまあ普通に進行方向から考えて1番線だろう。
Wikpediaでもこの通り。
到着した3番線ホームから跨線橋でお隣り1番線ホームに渡りました。
エスカレーターもエレベーターもなかったんで仕方ありません。
しかし、我々が佇む1番線ホームには、我々以外に1人だけ。
一方、向かいの2~3番線ホームには、降りた乗客がほぼそのまま列車を待っている風情。
「あれっ?」とは思ったんですが、きっと皆下り列車に乗って出雲大社を擁する出雲方面に向かうんだろうと納得しました。
そして出雲方面から列車がやって来ました。
ところが列車はポイントを通過しながら2番線に入線。
あきさみよ~~~
もう、それは慌てて跨線橋を渡るんですが、脚がこの通りで走れません。
先行した同行のじみーぺい爺さんが、きっと扉に足を挟んででも列車を止めてくれるに違いないことを信じて必死で階段を降りていくと、何とか発車に間に合いました。
いやあ、脚がジンジンと痛むこと!
しかも列車は仕事帰りや学校帰りのお客さんで結構混んでいたんですが、何とか座れて助かりました。
こうして、この日の目的地米子駅にとうちゃこ。
ホテルにチェックインしてから、荷物を降ろして晩飯に繰り出しました。
海鮮豊富な居酒屋をじみーぺい爺さんが予約していてくれました。
そこで我々を待っていたのは、じみーぺい爺さんの従姉妹たち。
伯耆にルーツをもつ彼は、親戚筋も米子在住の方が多く、今回米子に行く話をしたら「いとこ会」をやろうって話になったとのこと。
積る話もあるだろうと私は遠慮しようと思っていましたが、結局参加することに。
会ってみるととっても元気なお二人で、私も元気をいただきました。
合コンいとこ会が終わってホテルに戻ると、窓から見える転車台をおかずに酔い覚ましのお茶を飲んでいました。
この日も乗車中に酒が進んで、相当飲み疲れていたようです。
(続く)
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ここまでの乗車区間と乗車距離(営業キロ)
総乗車距離 450.0km
2日目
原爆ドーム前→広島(広島電鉄本線)2.4km
広島→備後落合(芸備線)121.4km
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備後落合→宍道(木次線)81.9km
宍道→米子(山陰本線)45.9km
2日目計 251.6km
1日目
岡山→総社(JR吉備線)20.4km
総社→神辺(井原鉄道井原線)41.7km
神辺→福山(JR福塩線)8.4km
福山→尾道(JR山陽本線)20.1km
★昼食休憩★
尾道→三原(JR山陽本線)11.5km
三原→海田市(JR呉線)87.0km
海田市→広島(JR山陽本線)6.4km
広島→紙屋町東(広島電鉄本線)2.1km
紙屋町東→中電前(広島電鉄宇品線)0.8km
1日目計 198.4km