Now or Never

今でしょ!

摩周・屈斜路トレイル入口 ~ 鹿柵ゲート (MKTセクション1)

いざ、「MKT」こと摩周・屈斜路トレイルへ!
先ずは前半、摩周湖第一展望台から川湯温泉までの20.5km。
「セクション1 - 火山の道」となります。

摩周湖第一展望台レストハウスのスタッフの方に教えていただいたMKTの入口。
まるで、この先に行くのを制止するかのようなパイロン。


何の案内もないし、霧でこの先の様子は窺いしれませんが、信じて行くしかありません(笑)
しかし、足を踏み入れてみれば、そこはよく整備されたトレイル、ハイキング道でした。



足下に気をつけて標高を下げて行くと、次第に視界も良くなり快適です。
ちょっとした沢を渡ったり、



倒木をくぐったり、、



飽きることなく気持ちよく歩けます。

ただ、一つ不安だったのが、熊・・・
この人っ子一人いない森の中、熊がいないのが不思議なくらいの環境じゃないか?

前日、カヌーのガイドさんに「この辺り(釧路湿原)は熊が出ますか?」と尋ねたところ、

ガ「熊が出るって話は聞いたことなかったけど、以前ブラタモリでタモリさんが来た時、スタッフが事前調査で現地に入ったら熊の糞を見つけて、ロケ地を変更したって聞きました」

なーんて言ってたじゃないか・・・

そう言えば、先ほどのお土産売り場では、熊出没注意グッズがこれでもかと売っていたな・・・
何故、あの時熊鈴を買わないで、冷蔵庫に付けるマグネットなんか買ってしまったんだろう・・・・・



せめてもと、柄にもなく大声で歌いながら歩きます。

♪ある日 森の中 熊さんに 出会った
 花咲く森の道 熊さんに出会った♪

しかし、この後の歌詞が思い出せません。
この後どうなっちゃったんだろう?と思いながら、このフレーズをひたすらリピートするのでした...。

今、この記事を書いていて、このトレイルのサイトを改めて見ていたところ、

mashukussharotrail.jp

「ハイカーが守るべき7つのルール」というページがあって、目を通すと以下の注意があった。


⑦ヒグマの情報を収集して、十分に備える
ヒグマは北海道の広い範囲に分布、生息しています。出没情報や遭遇時の対応などを事前に確認し、トレイルを歩く際には熊鈴や笛、熊スプレーなどを携帯しましょう。

行く前になぜ目を通しておかないのか。
もうちょっと、キチンと物事に望もうと、今は反省しています^^;

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さて
こうして熊に怯えながら歩くことしばし。
やがて、トレイルは林道に合流、熊の不安から少しだけ解放されました。
そして、遂に見つけたトレイルサイン!



「KIRAWAY」こと北根室ランチウェイのサインですが、この付近はMKTが今はなきKIRAWAYのルート上を辿っているんです。

貯木場



美留和林道のサイン



遂に森を抜けて、平原が見えてきました。



(続く)

霧の摩周湖

いよいよ、この旅の目的、「MKT」こと摩周・屈斜路トレイルを歩くために、起点の摩周湖に向かいます。

心配なのは天気。
天気予報によれば、午前中から雨が降り出して、午後からはまとまった雨になるとのこと。

実はこの旅。
北根室ランチウェイの閉鎖を知った時、当初私は九州耶馬溪のポタリングを希望したのですが、カミさんが「北海道を歩いてみたい」と主張して、結局MKTウォークに倒れた経緯がありました。

その際、カミさんが強調したのが、

「梅雨時なので、九州に行けばきっと雨に降られる」
「北海道は梅雨がない。雨の心配がないから、余計な装備や降られた時の別プランも不要」

でした。

しかし、梅雨がないから雨が降らないかと言えば、そんなことはなく。
カヌーに乗っている間は何とかもったものの、塘路駅を出発する頃には降り出しました...。

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塘路駅は、釧路方面行きと網走・摩周方面行きの列車交換駅となっています。

先ずは、釧路行きがやって来ました。
キハ54の単行です。



そして、我々が乗り込む網走行きも、キハ54の単行で到着。



快速「しれとこ摩周」号で、ヘッドマークも装着していますが、、、
普通列車と同じ車輌、
通年で通過する駅は僅か1駅、
所要時間は普通列車といくらも変わらない。

これなら、普通列車と同様の運行とした方が、利用者にはわかりやすいし、下手な間違いも起こらないのでは?
などと考えてしまいます(余計なお世話^^;)

車窓の景色をぼんやり眺めていると、およそ40分で摩周駅に到着。
雨がしっかり降っています。



発車する列車をお見送り。



駅構内



さすがは北海道。
チームナックスのポスター



網走方面は1日5本!



これから歩くエリアです。



しかし、、、

こうしてバスを待っている間も、雨は降り止むどころか、ますます強くなっていきます。
外に出ると、この通り・・・



不安しかありません。

「MKT」起点の摩周湖第一展望台行きのバスに乗り込みます。



乗客は我々2名ともう一人。

そして、終点に着いたんですが・・・



雨の中、取り急ぎ展望台から摩周湖を見てみようと



これって、ここから摩周湖が見えるってことですよね?



あきさみよ~!



湖の存在さえ確認できません。

振り返って、乗ってきたバスが止る駐車場に目を移すと、



バスしか見えない・・・

とりあえず、雨を逃れてレストハウスに入り、



お土産を物色しながら、天候の好転に期待しましたが、雨は一向にやむ気配がありません。
レストハウスのスタッフにMKTの入口を教えてもらい、この状況下で危険なく歩けるか尋ねてみたところ、

ス「降りて行けば視界もよくなりますが」
ス「他に歩いている人もいないだろうし、転んで怪我をしても助けてくれる人もいないだろから、私ならやめておきます」

おそらく、相方がいることに気付いてなくて、単独行と思っての発言と思いますが、不安が膨らんでいたところ、背中を押してもらいました。

日頃強気のカミさんも、ここまで乗ってきたバスの折り返し発車時刻にまだ間に合うので、一旦摩周駅に戻って川湯温泉駅まで鉄道を使って、歩く距離を短縮する案を出してきました。

「じゃあバスで戻ろう!」

とその時。
釧網本線のスカスカの時刻表を思い出したのでした。

スマホで確認したところ、次の網走方面行きは15:30発。
バスで戻ると、摩周駅で3時間以上待つことになります。

せっかくここまで来たんだし・・・

「よし、行こう!」

腹をくくりました。

先ほど教えていただいたMKTの入口。
駐車場の向こう側、目印のパイロンが立つ場所へ行ってみると、



「ええい、ままよ」

(続く)

塘路湖からシラルトロ湖へ

さて
いよいよ北海道を歩きます。

駅前には何もない塘路駅を出発!



あっ
店はないけど、列車が止まったタイミングを見計らってやって来たと思われる、写真を露店販売しているおじ様がいましたね(^_^;)

先ずは昼食。
駅前から、これから歩き続けるR391に出てすぐの所。

パスタとコーヒーの店「Prezzemolo(プレッツェモーロ)」



駅近ではあるけれど、この店の他に何もないこの佇まいに少々緊張して入店しましたが、極めて普通の店でした。



カキとマッシュルームのパスタをいただきました。



旅に出ると、最初のうちはこんな風に食べたものを写真に撮ったりしますが、すぐに飽きますね(笑)

腹ごしらえが済むと、いよいよ歩き出します。
進む先は迷いようのない一本道。
R391をひたすら北上します。

途中、サルボ展望台に寄り道するだけで、この日のお宿「ロッジシラルトロ」を目指します。
距離は、寄り道を除けば僅か6.3km。

歩き出すとすぐに、右手の塘路湖から流れ出して釧路川に注ぐ水路に架かる「塘路橋」を渡ります。



ポニートラスの人道橋が印象的で、思わず写真を取りましたが、翌朝この下を通ることになるとは夢にも思わず。

左手には釧網本線のデッキガーダーが見えます。



サルボ展望台への登り口にやって来ました。



ちょっと嫌な雰囲気を醸し出していますが、「クマ出没注意」の警告は見当たりません。



駅を出てから人っ子一人見当たらないし、正直展望台に登っていくのは気が進まず。



もしかしたら、クマ注意の警告がないのは、この辺りではクマがいるのが当たり前過ぎて、わざわざ警告するまでもない常識ってことじゃないか?

熊鈴もないし、ビビりながらも進むと、程なく展望台が現れました。



サルボとは、アイヌ語で小さい葦原(湿原)の意



眼下に望む塘路湖は、周囲18kmの結構大きな湖ですが・・・

ja.wikipedia.org

北海道はスケールが大きいですね!


歩いてきたR391を挟んで、左が塘路湖、右が小さなエオルト沼。



目をこらせば、先ほど渡った塘路橋が見えます。



更にサルルン展望台まで足を延ばせば、もっと見事な展望を楽しめたようです。
しかし、辺りは全く人気がなく、見えないヒグマに怯えて、この時行ってみようとは1msも思いませんでした。

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R391に戻って、目的地を目指します。

展望台の入口までは段差のある歩道がありましたが、ここから先は歩道がありません。
今度は、高速で走り抜ける車に怯えながら歩きます。

塘路湖から離れて退屈な緩勾配を歩いていると、向こうから茶色い何かが歩いて来ました。
こちらに向かってきたそれは、、、



キタキツネでした。

どうやら道路の反対側に渡りたいようでしたが、断続的に車が通って渡れません。
どうするのか見ていたら、どんどんこちらに近づいてきて、目の前数メートルの地点でゆっくりと右手の草むらに消えていきました。

北海道に来て最初の野生動物遭遇です。

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坂を登って降りると、左手にシラルトロ湖が現れます。
何もない湖畔の道を進むと、展望のための駐車スペースがありました。
何もないけれど、美しい景色



最近、一生行く機会がないであろう土地を、ストリートビューで旅するのがマイブームです。
よく訪れるのがロシア、特にシベリア方面。
バイカル湖のような観光地になっている所はもちろんのこと、道以外に人工物が全くない、ただただ広大な原野を見ているのもまた楽しい。
このシラルトロ湖を見ていると、あのロシアの風景を思い出しました。



ここまで来ると、目的地はすぐそこ。
間もなく集落が現れますが、そこは別荘地区。
結構な坂を登って行った先に、この日のお宿がありました。



ロッジシラルトロ



塘路駅を出てからこの宿に着くまで、すれ違ったのはあのキタキツネだけでした。
北側に位置する釧網本線もう一つの最寄り駅の茅沼駅からいらした同宿の方と話をしたら、最初は歩いてくるつもりだったけど、R391を車がガンガン飛ばしているのを見て、急きょ宿に電話して迎えに来てもらったそうです(笑)

シラルトロコ湖が望めるこの休憩室から、



エゾシマリスや、



エゾアカゲラが見れますが、、、



この宿を選んだのは、ある目的がありました。
(続く)

MKTへ ... プロローグ

先週、3泊4日で北海道に行ってきました。
目的は「MKT」こと「摩周・屈斜路湖トレイル」を歩くこと。

今回のトレイルウォーク、思い立ったのは随分前のことになります。
新橋の住人さんと飲みに行った時に「北根室ランチウェイを歩いてみない?」と誘われたのが発端。
その後、当のご本人はすっかり熱が冷めてしまったようですが、私はいつか歩いてみたいとチャンスを窺っていました。

しかし
「よし、今年こそ!」
と決意した年に限って、事故に遭ったり、病気で歩くのが困難になったり、コロナ禍で遠征が憚れる状況になったりして、断念してきました。

それが遂に今年。

阻む障壁もなく、条件も揃って、その時が来たかと思いました。
ところが、いざ計画を立てようと北根室ランチウェイの情報をネットで調べたところ、、、

「あきさみよお!」
「まさかやあ!!」

2020年の秋全面閉鎖されたことを知る。

そうか、、、
あの夏が最後のチャンスだったんだ・・・

_| ̄|〇 _| ̄|〇 _| ̄|〇 _| ̄|〇 _| ̄|〇 _| ̄|〇

嘆いていても、何も始まらない。
北根室ランチウェイのことはさっさと忘れて、代わるターゲットを探していたところ、偶然目に入ったのがMKTでした。
今は無き北根室ランチウェイに繋がる全長44kmのトレイル。

mashukussharotrail.jp

一部区間は、北根室ランチウェイと同じコースを辿ります。


これは、北根室ランチウェイの代わりに歩くには、もってこいのコースじゃないか!
2~3日で歩くには、無理がなくてむしろ好都合だし。
 
北海道ならこの時期でも梅雨はないし、天候の心配なく楽しめるはずだと、土日の他に年休を2日とって3泊4日の旅を計画したのでありました。

(続く)

北根室ランチウェイ

毎年のように企画しながら、膝の故障・不安やらコロナやらで企画倒れとなっていた北海道行き。

toei-sportif.hatenablog.com

今年こそはと、既に日程を決めて、家を空けるために留守中の愛犬・愛猫の世話役との調整まで完了していました。

ところが

具体的なコースや宿泊施設をそろそろ具体的に考えようと、公式サイトを訪ねようとしても開かない。
まさかと思ったら・・・

kaiyoudai.jp

えっ?

※北根室ランチウェイは2020年10月8日をもちまして完全閉鎖となりました。

あぎじゃびよー!!

またやっちまった・・・

「別に今じゃあなくても」とのんびり構えていると、ある時、もう二度と見ることができない、辿ることができない、会うことができないことに気付く。
取り返しのつかない喪失感。
清水港線ミキスト飯田線の旧国たち、西寒川支線、新興線・・・(鉄道ばっかじゃないか)

ところがところが

閉鎖に至った理由・状況などネットで見ていたら、すぐお隣りに新たなトレイルが開放されたことを知りました。

mashukussharotrail.jp

ここ、いいかも・・・
我ながら、切り替えの早い性格であった(^_^)v
これもB型のなせる技?