Now or Never

今でしょ!

大間を徘徊す

湯治旅3日目

時は10時半

大間崎も一通り見て歩いたので、市街地を目指して海沿いを歩きます。

この日の道中あちこちで「私の青空ロケ地」って案内板を見かけましたが、このドラマ全然記憶にないんだよなあ~

2000年に放送された20世紀最後の連続テレビ小説だそうです

思ったよりも早く大間港に着きました。

下風呂漁港でマグロ漁船を見ましたが、ここ大間港ではイカ釣り漁船が

逆じゃね?

ついつい、津軽海峡の向こうに見える北海道にカメラを向けてしまう。

地図を見ると、市街地はこの港からすぐのところ。

早速、目抜き通りと思しき場所に行ってみると

なるほど、こうきたか・・・

何かないかブラブラして神社を見つけました。

大間稲荷神社

由緒書き

境内

拝殿の前に数足の履物が・・・

ここでも北海道が写りこむ構図を狙っています。

お詣りも済ませて、、、

他に見て回るところもなさそうだし腹も減ってきたので、昼飯にします。

ネットで探すと、すぐ近くに評判のいい店がありました。
定食屋ですが、大間自慢のマグロのメニューも充実しています。

ところが・・・

水曜日が定休日なんて書いてないんだけど・・・

出鼻を挫かれました。

他にマグロを食べられる店は意外や少なくて、あとは寿司屋が数軒です。

ならば、ここに来るときにやたらと案内板が目についた

この店に決めました。

「浜寿司」 この営業努力に賭けてみようじゃないか

一見強面だけど(でもないか^^;)
まあ話上手というか、話が大好きな大将でした。

そこへ、この日非番で函館からフェリーに乗って寿司を食べにやってきたという20代、函館在住、バツイチの女子が入店してきて、もう絶好調!

一期一会の出会いが楽しくて

「SNSに載せたいけど写真大丈夫?」

と訊くと、2人とも顔出しNGとのこと。

「俺の顔よりこのウニを撮ってくれ」って(笑)

うら若きどさん娘はともかく

こうして店を構えて長いこと商売している大将も?

と謎でしたが、何でも普段は忙しくて脇目もふらずに寿司を握っているのに、くだけた表情を公開されてイメージを壊したくないらしい(笑)
(ここだけの話にしておいてください^^;)

すると、どさん娘が

「あれえ、誰かのインスタで(大将の)顔見ましたけど」

おい!
女子ならいいけど、おっさんから発信されるのは嫌ってことかよ(笑)

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こうして、寿司食って酒飲んでくっちゃべって
気が付くと、帰りに乗るつもりだったバスの発車時間を過ぎているじゃないか(驚)

慌てて次のバスの時間を調べると、1時間25分後です。

今更慌てても仕方ないんですが、あんまり長居するのも粋じゃあないんで、早めに出て大間岬まで酔い覚ましに歩いて戻ることにしました。

次のバスは大間岬13:33だったんですが、ちょっと時間を余して到着。
土産屋さんで買い物がてら念のために上りのバス停場所位置を尋ねると、

土「バス停は目の前ですよ。でも上りは4時過ぎまでバスないですよ」
赤「えっ!!」
 「13:33があると思うんですけど!」
土「ああ、、それは正月とかだけの臨時便です」

絶句・・・

慌ててバスの時刻表をネットで確認すると、大間岬13:33のバスは確かに臨時便であることが判明。
次のバスは16:18でした。

まだ3時間くらいあるよ・・・
どうやって時間を潰そう?
ここも街方面ももはや観る所はなさそうだし・・
頼みのレストハウスは定休日だし・・・

のんびりコーヒーを飲める店も見当たりません。
そう言えば寿司屋の隣りの喫茶店もこんな様子だったっけ・・・

10分くらい考えて、フェリー乗り場に向かうことにしました。
フェリー乗り場なら、お茶飲む処くらいあるだろう。

またしても大間の街中へ歩いていきます。
これで1往復半。
いったい何をやっているんだろう・・・

途中、海峡を渡るフェリーが見えました。

寿司屋で出会ったどさん娘、あれに乗ってるんだなあ

街中を通り過ぎてしばし。

フェリー乗り場まではいくらもありません。

遠目に見えてきた時は、微かに不安を覚えました。

ポツンと一軒家(笑)

津軽海峡フェリー 大間ターミナル

バス停の位置と時刻表を確認(大事なこと^^;)

この13:22便のトラップに引っかかったわけだ。 
でも「◎」(二重丸)の説明がどこにもないぞ!
新たな犠牲者が出ないことを願う。

よく見ると、青い帯のところに
「◎印、臨時運航便(8/10ー8/19)」
と記載されているのを見落としていました。
認知能力・・・
ご指摘ありがとうございました>古鉄さん

いや、自分はネットの時刻表を見間違えただけですが(笑)

さあ
館内で寒さを凌いで、暖かいコーヒーでも飲もうと思ったんですが、、、

これまた定休日!

函館行きの便は既にこの日ありませんが(1日2便)

函館からの17:00到着便がまだあるのに・・・

もしかして、出発・到着時間帯以外はこうして店を閉めているのかな?

館の内外を見て歩きましたが

あっという間に終わる。

幸いなことにフリーWi-Fiが使えたので、自販機で缶コーヒーを買ってきてここでネット三昧

ようやく時間になりました。
絶対に乗り損なってはいけないので、到着5分前からバス停で待機。
もちろん私1人です。

ところが、バスは定刻になっても現れず「まさか」と一瞬背筋が冷たくなりましたが、2分ほど私を焦らせてから厳かに姿を現しました。

ここまで乗ってきた乗客約1名

大間崎の先ではそこそこの学生が乗ってきました。
この学校の通学のための運行ダイヤみたいです。

下風呂温泉に戻って来たのはほぼ5時でした。

予定では昼過ぎに戻って、前日定休日だった「海峡の湯」で新湯を楽しむつもりでしたが、もはや足を運ぶ気にもなれなくて、宿のお湯にゆっくり浸かったらもう夕食タイムになっていました。

これって
湯治旅って言うよりも、普通の観光旅行、、、いや彼の地での徘徊ですね(笑)

本州最北端へ

湯治旅3日目

晴れました!

窓を開けて外を見ると

北海道がそこに!

「物見遊山に来たんじゃない!」

とか豪語していましたが、この地まで来てまだ行ったことのない本州最北端に行かない手はありません。

食事を済ませて温泉に入ると、早々にバスに乗って物見遊山にGo!
向かうはもちろん大間崎です。

窓にへばりついて、津軽海峡越しに臨める北海道をひたすら凝視。
およそ50分でバスは大間崎バス停にとうちゃこ。

あー、これ見たことある!

やって来ました、本州最北端!

この通り気持ち良く晴れたんですが、この海っぺりはとんでもなく風が強くて劇寒でした。
北海道の山々がすぐそこに見えます。

三浦半島から房総半島を眺めているくらいの距離感

視界を微妙に遮るのは、沖合600m先に浮かぶ弁天島と大間崎灯台です。

すぐ傍にいくつかの碑が立ち並んでいます。

実は天童よしみさんの曲をほとんど聴いたことがなかった。

でもせっかくなんで、どんな曲だかサブスクで聴いてみようと思ったら、どうもネット配信していない模様。
仕方なく、YouTubeにアップされているアートトラックで聴いてみました。
するとたちまち、吹きすさぶ寒風の音から始まるこの曲に魅せられてしまいました。

「ああ風が風が吠えてる大間崎♪」

もしかして
こんな天気のいい日じゃなくて、冷たい雨が一日中降っていた昨日訪れた方が良かったかな・・・
なあんて、気の迷いです。

こちらは石川啄木の歌碑

そして、先の太平洋戦争で八戸港から大湊港へ物資輸送中にアメリカの艦隊機によって撃沈した「豊国丸」乗船員戦死者の忠霊碑

史実や人の思いがたっぷり詰まった海峡です。

付近には、料理店、お土産屋、民宿が数軒立ち並んでいますが、まだ時間が早いせいか開いていません。

強風を浴びながらぶらぶら歩いていると「テントサイト」って行先案内板を発見

ちょっと興味が湧いて、この先に冷やかしに行ってみると

炊事棟やトイレが併設されているキャンプ用のサイトがありました。

「大間崎テントサイト」

調べてみたら無料で使えるらしい。

本州最北端でのキャンプもオツじゃないかと思って、キャンプ仲間に写真を送ってみたんですが、相手にされませんでした(笑)

このかき氷を提供する店は、オープンしていませんでしたが冬でも営業しているのでしょうか?

観光案内板を発見

さて
昼食にはまだ時間が早いし、近辺で観るところはもうなさそうだし、風が強くて寒いし、この後どうするか風が凌げる場所で作戦を立てようと思ったんですが

「大間崎レストハウス」

 

この日は終日閉館!

あゝ無情

そんなことどこにも書いてないぞー

市街地に出れば何かあるだろうし、そのうちお腹もすくだろうと、海沿いを街に向かって歩いてみることに。

来る時、バスの中から夢中になって見ていた津軽海峡越しの北海道

この頃、既に目に馴染みつつありました。

下風呂温泉郷に残る未成線跡

湯治旅2日目

下風呂温泉郷散策の続きです。

宿の目の前、大湯の公衆浴場跡地を写真に収めると、この「鉄道アーチ橋」そして「足湯」の案内に従って

高架橋のような散策路を進みます。

身を乗り出すとわかるんですが、途中からはこの通り見事なアーチ橋です。

まるで廃線跡のようなこの橋は、幻の鉄道(未成線)「大間線」の遺構でした。

遠目に見るとこんな感じ。

ビビッドなスカイブルーの手すりがちょっと残念かな。
アーチの明るいカラーもちょっと違うような・・・
落ち着いた茶系でまとめれば、もっと周りに馴染んで綺麗だと思うんですが、、、
私のセンスだって相当怪しいもんですけど(笑)

アーチ橋の中ほどにホームが設えてあるんですが

この小ぎれいな佇まいは、作ったものの使われなかった残骸ではなくて、遊歩道として整備した際にイチから作ったものですね。

工事が中断されたのは1943年(昭和18年)だそうなので

もしかして、この高いホームへのアプローチが残っているのかも知れませんが、人通りが少ないせいか雪が深く雨も降っていて、軽装でウロウロする覚悟ができませんでした。

足湯は10月から翌年4月まで休止中でした。

アーチ橋の北詰からは、この階段を冷や冷やしながら降りてきました。

大間方面の路盤跡は、この先トンネルへと続くようですが、とても挑む気になれませんでした。

さて
一転して反対の大畑方面です。

新湯の湯壺方面から流れる新湯川を渡る橋があるのですが

この橋の上。
何やら、モニュメントの紹介と細かい文字の説明書きがある。

8つのモニュメントを作っている風なんですが

どなたかの妄想の世界のようです(笑)

この先は高架部分の南詰でトンネルとなっているようですが、足元が悪い上に私有地にも見えるので、ここで退却しました。

これがトンネルポータルのようです。

以上で、大間線見学を終了。
引き続き近辺をぶらぶらします。
この頃には、フードを被って雨を凌ぎ、傘をさすのをやめていました。

この町を支えるのは温泉と漁港です。

下風呂漁港で揚がる主な魚種はマイカ、タコ、ウニ、アンコウ、ヤリイカだそうです。
旅館でもマイカ以外はみんな食事で出てきました。

で、漁港に行ってみました。

一番沖側の桟橋から振り返ると温泉郷全体が写真に収まります。

これは大間のマグロ漁船でしょうか?

徘徊を続けます。

R279沿いにやたらと目立つ看板が!

スルメイカの不漁で名物の「イカサマレース」は休業状態

スルメイカ(マイカ)が採れなくなった話は他所でも聞きました。
イカ大好き親父としては、またたくさん採れるようになることを願うばかりです。

この後、見晴らしの良さげな場所に登って

津軽海峡越しの北海道を探したんですが

ああ津軽海峡・冬景色♪

残念🥲

でも、これでこの地で思い残すことなく散策終了!

最後に、温泉郷の目抜き通りをぶらっとして

おそらくこの温泉郷で唯一の食料品店

いや、年季の入った店がもう一軒

この店で昼食をいただきました。

「あさの食堂」

ここで、遂にアルコールを口にしてしまった。
しかも真昼間・・・

地元のお酒「ねぶた」と「関乃井」を一合ずついただいたら、もう止まりません。

先ほど前を通った店で、関乃井原酒の四合瓶とおつまみを買ってきて午後は部屋に引きこもり

呑んでは温泉に浸かり、温泉に浸かっては呑み・・・

やっちゃあいけないやつだったのに😔

大湯と新湯

ここ下風呂温泉には

「大湯」「新湯」の2箇所の湧口と、海辺から湧いている源泉「浜湯」があり、「浜湯」はさらに温泉の湧口によって効能が異なっています。
下風呂温泉郷全体で4箇所の源泉を楽しむことができます。

中でも大湯と新湯は、室町時代から同じ場所で守り続けられたと言われる温泉浴場がありました。

※以下の画像は、青森県の観光国際戦略局>観光企画課の運営する「まるごと青森」サイトより拝借しました。

大湯

新湯

しかし、2020年11月30日に大湯と新湯は建物の老朽化などの理由で閉館となりました。

www.marugotoaomori.jp

翌12月1日からは、新しくオープンした新・温泉公衆浴場「海峡の湯」が後を継いで、大湯と新湯を同時に楽しめるようになり現在に至ります。

下風呂温泉の歴史は、上記サイトの他、近くの足湯施設にある案内板が参考になりました。

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湯治旅2日目は生憎の悪天だったので下風呂で過ごすことに。

午前中に、大湯と新湯の公衆浴場跡地を訪ねました。

と言っても、大湯跡は投宿しているまるほん旅館の目の前です。

更地で跡形なし(T_T)

そして、こちらが新湯跡

こちらも更地(T_T)

この旅をするまで下風呂温泉の存在すら知らなかったものの・・・
ほんの4年前に閉館だなんて、営業しているうちに行ってみたかったもんです。

今回お世話になったまるほん旅館は、大湯を源泉としています。
せっかくなんで、大湯と新湯を同時に楽しめるという「海峡の湯」に行ってみました。

え~~~!

よりによってこの日定休日なんて(T_T)

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各源泉の湯質泉質を、青森県下北半島・風間村の観光ポータルサイトより転記しておくのでご参考まで。

大湯系(白濁)
泉質    酸性・含硫酸-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患

新湯系(透明に近い)
泉質    含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患

浜湯系 海辺地1号
泉質    ホウ酸-食塩硫化水素臭(緊張低張性高温泉)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、高血圧症

浜湯系 海辺地2号
泉質    ホウ酸-含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(硫化水素型)
食塩硫化水素臭(低張性弱酸性高温泉)
効能    切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、高血圧症

"キュン"な出会い

3月11日

東京駅を11:20スタート

大宮駅を出た時、列車は満席に

八戸駅で新幹線から青い森鉄道(東北本線)に乗り換え

1時間くらい空くので、この立ち食いそば店で昼食

いつもなら間違いなく新幹線の車中で酒を呑み、八戸でも酒の呑める店で遅い昼食を摂るところです。
しかし、今回の旅は物見遊山ではないのだ!
ここまでアルコールを完全封印。
温泉療養のついでに暴飲暴食を封印してデトックスするつもりでした。

JR大湊線直通の快速「しもきた」に乗車

キハ100系の2輌編成

下北駅でバスに乗り換えます。

乗り換え時間が短くてこんな写真しかありません

そして18:10
「下風呂温泉」バス停に定刻到着

既に真っ暗。
冷たい雨が降っています。
 
バス停から宿まではほんの数分。
家を出てからここまで8時間以上経過していて疲れていたので、この近さは嬉しかった。

ところがいざ入ろうとすると、入口に鍵がかかっていました。
呼び鈴らしきものは見当たらないので、何度かドアをノックしましたが反応ありません。

鄙びた雰囲気なので思わず不安に襲われました。
まさかと思うけど、予約を入れたのを失念していないだろうか?とか・・・

寒さに震えながら電話を入れると、中から仲居さんと思しき方が出てきてホッとしました。

誰かが不意にあけて看板猫が飛び出さないようにカギをかけていたとのこと。

旅先の旅館で入口に鍵がかかっていて入れなかった経験はなかったので、少々本気で焦っちゃいましたよ。

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荷物を降ろすと早速お風呂へGo!

湯治十戒とな

「よしっ、キッチリ守ったる!」

と決意したはずなんですが、帰る頃にはことごとく破っていました(笑)

泉質と効能

膝への効果はどうなのかなあ~

この狭い階段を降りて行くと、、、

お風呂です!

湯の花がいい感じ

湯気が天井からポタリと背中へ~♪

これこれ、これですわ!
私が湯治宿に思い描いた光景がここにありました。

日頃特に風呂好きって方ではありませんが、気持ち良くて滞在中は暇さえあれば温泉に浸かっていました。

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翌朝、テレビで天気予報を見ると、北海道各地の天気を流しています。

ちょっと待て!
ここで観ているんだけど・・・

ここって北海道の飛び地だったのか(笑)

食事は部屋出しです。

翌朝は、女将が朝食を部屋に運んでくれたんですが、部屋の戸が開くと同時に、この宿の看板猫がするりと入って来ました。

私の持ち物の匂いを嗅いでいたかと思うと

ストーブの上で一休み

寛いでいるなあ~

名前は「でっち」。
丁稚奉公の「でっち」だそうです。

男の子
もうすぐ2歳

デブで親近感が湧きます(笑)
可愛い~

そう言えば、今回利用した切符「キュンパス」にこんなこと書いてあったっけ・・・

「"キュン"な出会いをお楽しみください」

このことだったのか(笑)