Now or Never

今でしょ!

ラウドカットに憧れて With The Beatles(UK)

5年ぶり、ビートルズのアルバム紹介。
2枚目の部を始めます。

先ずは、5年前の1stアルバムの時と同様に、彼らの出身国イギリスでの2ndアルバムから。

With The Beatles (UK) [1963.11.22]

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この印象的なジャケットの写真を、彼らのデビューアルバムの象徴と長い間誤解していたのは、5年前に書いた通りです。
本国英国では、この通り2ndアルバムを飾っていました。

ちなみに、この個体はもう随分前にebayで落札したものです。
「ラウドカット」と呼ばれる英国オリジナルモノラルの初期プレス盤を聴きたくてたまらずに手を出した1枚。

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ちょうどこの頃、職場で知り合った協力会社の仕事仲間に、強烈なビートルズフェチがいて、オリジナル盤の見分け方を教えてもらったりしたものです。
「へ~」と感心しましたが、今になってみればネットでも拾える情報です。

MONOのマトリクス「1N」がラウドカット盤となります。
そしてファースト・プレスの見分け方は、このマトリクスの他に、

・レーベルB3の曲名表記が、「YOU REALLY GOT A HOLD ON ME」ではなく「YOU REALLY GOTTA HOLD ON ME」であること。

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・同じくB7「Money」のクレジットが、「Dominion」ではなく「Jobete Mus.」であること。(版を重ねるうちに権利が移動したそうです)

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ebayで落札し、無事に我が家に到着したそれは、間違いなくファースト・プレスでした。
職場で「ジョベートだったよ」と会話したのが懐かしい思い出です。

ちなみに、ジャケットはGarrod & Lofthouse社製。

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monoの表記は、アーリー・プレスの証であるラージ・ロゴ

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B3の曲名は、こちらも「GOTTA」となっています。

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これは製造時期で変わりませんが、メンバーの表記順に違和感があります。
第3の男、ジョージが先頭にいるとなんか落ち着かないのだ。

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インナー・スリーブはEMITEX。
窓の部分は透明。

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◇リリース : 1963.11.22
◇カタログナンバー : PMC 1206
◇モノラル/ステレオ : モノラル
◇レーベル : イエローパーロフォン
 ・"RECORDING FIRST PUBLISHED 1963"表記あり
 ・"33 1/3"表記なし
 ・タックスコード : KT(→1963.7.1~)
◇トレイル・オフ・エリア情報
  [A面]・マトリクス・ナンバー : XEX 447-1N
     ・マザー・ナンバー : 3
     ・スタンパー・コード  : AR(→32)
  [B面]・マトリクス・ナンバー : XEX 448-1N
     ・マザー・ナンバー : 1
     ・スタンパー・コード  : A(→3)

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A1. It Won't Be Long
A2. All I've Got To Do
A3. All My Loving
A4. Don't Bother Me
A5. Little Child
A6. Till There Was You
A7. Please Mister Postman

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B1. Roll Over Beethoven
B2. Hold Me Tight
B3. You Really Gotta Hold On Me
B4. I Wanna Be Your Man
B5. Devil In My Heart
B6. Not A Second Time
B7. Money

さて
このアルバムの印象はというと。
これといってキャッチーな曲はない。
それが証拠に、赤盤(エバークリーンじゃなくてベスト盤のほう^^;)に収録されたのは「All My Loving」の僅か1曲のみ。

しかし、柳の下に2匹目のドジョウはいなかった・・・
かといったら大間違い。
このアルバムは、前作「Please Please Me」と入れ替わりで全英チャート1位となり、以降21週連続で1位を守りました。

米国盤でビートルズを覚えた自分にとって、このアルバムを知るまでは何の変哲もない1曲に感じていた「It Won't Be Long」が、アルバムA面1曲目にイントロなしで始まる衝撃を体験できなかったことが残念でなりません。

ちなみに、ebayで仕入れたこのアルバム。

B1「Roll Over Beethoven」はお馴染みチャック・ベリーのカバーだけど、ジョージのグレッチが奏でる印象的なギターのイントロ部に傷があり、少々残念なのである。
せっかく音圧が高いラウドカットなんだけど、傷の再生もラウドなのだ(涙)

このアルバム収録曲の中で個人的なお気に入りは、、、

A3「All My Loving」
あのエドサリヴァン・ショーの1曲目を飾った曲。
ジョンのリッケンバッカーが刻む3連符が心地よい。

A4「Don't Bother Me」
出来はとやかく言ってはいけない
ジョージの公式初クレジットなのだ。

A6「Till There Was You」
メジャーデビューしたばかりの若造たちが、こんな若者受けしないだろう曲をさくっとカバーしてアルバムに入れちゃうところが凄いと思うのである。
大人にも媚を売ろうとしたジョージ・マーティンの策略かと思いきや、ポールの意向だそうである。 

A7「Please Mister Postman」
こちらはモータウンのガール・グループのカバー。
中学生の頃、カーペンターズがカバーして全米1位の大ヒットとなった。
ビートルズの方がずっといいのに」と思っていたけど、この曲が好きだと人に言えなかった恥ずかしがり屋の僕。

おっと、A面ばかりじゃないか。

聴きたい盛りの頃に手に入れたのではない・・・
って言うか、当時はこのUK盤のアルバムの存在すら知らなかったので、個々の曲はともかく、アルバムには特別な思い入れはありません。
米盤と国内盤のデビューアルバムを飾ったジャケットの写真を除いては。